行政5機関が連携協定

近畿で全国初、政策パッケージ具体化

大阪労働局、近畿農政局、近畿経済産業局、近畿運輸局、公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所は16日、「物流革新に向けた政策パッケージ」の施策について、関係行政機関が強固に連携し具体的な取り組みを進めるため連携協定を締結した。地方支分部局の5機関が連携協定を締結するのは全国初となる。連携事項は、各行政機関の取り組みや補助制度など説明会の共催に、価格転嫁対策、取引環境改善など集中対応時期や重点事案に対応した連携など。2024年問題は一過性ではなく、生産年齢人口の減少で深刻化していく構造的な課題ととらえ、関係行政機関が一層緊密に連携を深める。大阪合同庁舎で行った締結式では、荒木祥一大阪労働局長が今月スタートした時間外労働上限規制に触れ「荷主との商慣行が課題であり荷主対策特別チームを設け要請活動を行っている。運輸局トラックGメンとの連携に、荷主所管省庁の力を借りいろんな対策ができる」と期待を述べた。安東隆近畿農政局長は「食料安定供給の観点からも物流確保は重要課題。対策本部で官民タスクフォースを設置し、事業者団体と現場の取り組みを後押している」とし、連携協定による円滑な取り組みに意欲を示した。信谷和重近畿経済産業局長は「連携協定を踏まえ、荷待ち荷役削減へ荷主への設備投資の支援、施策浸透への広報、価格転嫁対策に努める。連携体制は有効でありしっかり取り組みたい」との意向を述べた。小菅敦公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所長は「これまであまり関わりのなかった業界団体への周知機会が得られる。協定締結を機に独禁法、下請法の適切な執行につながるよう、関係機関と緊密に連携する」とし円滑な価格転嫁に注力する考えを示した。日笠弥三郎近畿運輸局長は新たな標準的運賃の周知、トラックGメンの取り組みの強化、政策パッケージ関係法改正の周知を挙げ、「5つの機関が単独よりも連携することで問題解決に近くなる」と期待を示し、「とくに大阪府はトラック車両数が1位、事業者数は2位であり近畿から先陣を切って行う必要がある」とその意義を述べた。