貨物専用機が就航、ヤマトグループ

新モードで新たな価値創出、需要開拓に手応え

ヤマトグループの貨物専用機(フレイター)が11日から運航を開始した。首都圏から北海道、九州、沖縄の長距離輸送に使用。成田空港で行った就航記念セレモニーでヤマトホールディンスの長尾裕社長は「まずは安全な運航をJALグループとともに取り組む。その上で従来なかった付加価値を提供したい。宅急便以外の新しいお客さまにも評価をいただいている」など手応えを示した。貨物専用機(エアバスA321-200P2F型)2機を導入し、シンガポールで改修を行っている3号機も19日に到着予定。1日9便、夏頃には羽田発着を加え13便体制となる。就航セレモニーで長尾社長は、24年問題に直面する中で新たな輸送モードの構築とともに、長距離輸送で対象となる特産品を扱い地域の産業発展に貢献する考えを示した。「半導体ビジネスが九州のほか北海道も拡大の動きにある。従来の宅急便のお客様とは違う接点も出来始めている。我々のビジネスだけでなく地域産業の力にもなりたい」と意欲を示した。連携する日本航空の赤坂祐二代表取締役会長は、ヤマトから4年前にプロジェクトの相談を受けた経緯に触れ「長尾社長から24年問題を見据え、前向きに真正面からこの問題に取り組む姿勢に感銘を受けた。力を合わせ安全安心な社会、サステナブルな未来づくりに努力したい」と述べた。貨物専用機の運航を担うJALグループのLCC、スプリング・ジャパンの浅見達朗社長は「日本でLCCによる貨物専用機の運航は初めて。物流に新しい価値を提供できるようともに取り組む」との決意を示した。来賓で国土交通省の鶴田浩久物流・自動車局長は「24年問題と言われるが、24年は物流革新元年でなければならない。フレイター就航は新しい物流の扉を開く歴史的な出来事」と期待を込めた。ヤマトグループは従来から遠方地域は旅客便による航空機ネットワークを活用しているが、フレイターの運航でこれらに加え新たな需要開拓に注力する。専門の営業チームと各地域の営業チームが連携し各産物の販路拡大を支援する。長尾社長は今後の展開について「フレイターやその後の輸送も含め物流全体の提案がかなり増えている。単に運ぶだけでなく、商流づくりを心掛ける」と期待を示す。3機の運航体制だが、固定費を含めた採算性の目安である5機を視野に、各地域の需要を見据えながら増機、新路線も柔軟に検討する意向を示した。フレイターは最大搭載重量28t(10t車5-6台分)、航続距離約30000㌔㍍。11日からの運航ダイヤは成田→新千歳、新千歳→成田、北九州→成田各2便、成田→北九州、成田→那覇、那覇→北九州、各1便。夏頃には羽田→新千歳、新千歳→羽田、羽田→北九州、北九州⇒羽田各1便を加える。