物流4-12月期決算、燃料高騰影響

通期見通しは慎重

物流企業の4-12月期決算が出揃った。経済活動の復調に伴う輸送量の回復から増収増益基調は変わらないが、前年同期からの反動増は4-9月期より弱まり、燃料価格高騰の影響もあり、通期予想は前回から据え置き、慎重に見通すところが多い。一方で海上コンテナの供給不足は続き、海運、国際物流などはさらに上方修正した。3月期決算の通期予想で売上高1000億円以上の上位30社では、24社が増収営業利益増益となった。うち13社が2ケタ伸長で、とくに海運、国際物流の大幅な利益増が目につく。スペース供給不足による運賃原価・販売価格が上昇する事業環境は継続すると見ており、さらなる上方修正を行っている。売上高は30社のうち29社が増収、コロナ禍前の売上規模を上回る企業も多い。国内はEC市場のすそ野が広がり、生活関連品など堅調な分野の需要増を取り込む。 しかし直近の10-12月期では、前年同期からの反動増の減少や売上鈍化の分野も見られることや、物量回復によるコスト増、燃料価格高騰が収益を圧迫し、業績低下の動きも見られる。通期予想の上方修正は海運5社と三井倉庫HD、三菱倉庫、住友倉庫の倉庫大手3社と、SGホールディングス、近鉄エクスプレス、日立物流、鴻池運輸、日新の5社など国際物流の増勢が続く。30社中27社が通期も増収増益、11社が2ケタ伸長を見通すが、営業増益26社のうち4-12月期の伸長率を上回るのは5社にとどまる。燃料高騰や物量増によるコスト増を織り込むほか、オミクロン株による感染拡大の経済への影響も見据える。