SGHD 新中計で次世代競争優位事業創出

総合物流ソリューションを拡大

SGホールディングス(栗和田榮一代表取締役会長兼社長)は、2030年に向けた新長期ビジョンと、22-24年度の中期経営計画を策定した。引き続き宅配便を基盤事業として規模拡大を図りながら、TMS(宅配便以外の付加価値輸送)、3PL、国際・海外ビジネスなどの総合物流ソリューションを成長エンジンとする。30年で宅配便と宅配便以外の構成比を同じくし2兆2000億円の売上規模を描く。これまでの長期計画(16-24年度)の第2フェーズ(19-21年度)において長期経営目標を前倒しに達成する見込みから新たなビジョンを策定したもの。キーメッセージは「Grоw the new Stоry新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」。3月30日に都内で行った記者会見で栗和田会長は「大きな外部環境変化の中で社会インフラを担う私たち物流事業者もこれまで以上に進化・高度化が求められる。顧客、取引先はもとより業種業界にとらわれないパートナーと連携しながら新たな価値を創出していきたい」との考えを述べた。22-24年度の新中計「SGH Stоry 2024」では総合物流ソリューションの高度化、競争優位創出につながる経営資源の拡充、ガバナンスの更なる高度化を重点とする。数値目標では最終年度連結営業収益(売上高)1兆6500億円、営業利益1600億円を掲げた。デリバリー事業は24年度で個数14・5億個(21年度予想14・1億個)、単価は横ばいの648円を予想。TMSは売上高で24年度1700億円(同1000億円)に拡大する。宅配便のデジタル化による業務効率化と利益率の高いTMSの拡大で、3年で営業利益を25%伸ばす。ロジスティクス事業の営業利益は横ばいだが、21年度のエクスポランカ社の急激な利益増の反動もある。同社を除いた全体の連結営業利益は3年で22・4%増となる。施策面では国内輸送倉庫を通さないダイレクト納品で輸送距離を短縮化しCО2を削減する「スマートインポート」や、地域インフラを活性化する貨客混載、見守りサービス「タウンサポートサービス」など社会課題解決型に注力する。事業成長と同時に2050年カーボンニュートラル実現へ環境対応車の導入や、再生可能エネルギーの活用をさらに推進する。CО2排出量を13年度比24年度で15%減、30年度46%減とした。3カ年の投資計画は宅配便の成長を見据えた中継センター構想やEV車両の導入など累計で2150億円(施設1450億円、車両350億円、IT250億円など)を計画する。