自動点呼 非常時「条件付き」制度化

乗務後来年1月施行へ

国土交通省はICTを活用した運行管理高度化のシナリオを示した。自動点呼は、非常時は運行管理者等が対応する「条件付き」として乗務後自動点呼の要件を取りまとめた。制度化へ機器認定制度を構築し、周知期間を経て2023年1月施行に向け検討を進める。また、4月1日から運用を開始する遠隔点呼制度については、状況を見ながらさらに場所や範囲を拡大する。23日に行われた運行管理高度化検討会(第4回)で確認した。乗務後自動点呼は、酒気帯び検知や一定時間を経過しても点呼が完了しない場合、また、機器故障時など非常時は運行管理者等が対応する「条件付き」として制度化への要件を取りまとめた。点呼に立ち会う必要はないが、これら非常時に常に対応できる体制が必要となる。機器故障時の対応では、点呼に必要なすべての確認、指示、判断、記録が正常に行われない限り点呼を完了させないことを必須要件とし、機器の自己診断機能については必須ではなく望ましい要件とした。乗務前自動点呼についても非常時対応の「条件付き」として本年7-12月に調査・実証実験を行う予定。これら当面は条件付きを制度化の対象としながら将来的には乗務前、乗務後点呼における完全自動点呼化の制度構築を視野に入れる。一方、新たな遠隔点呼制度は、これまでのIT点呼が「Gマーク」認定など優良営業所に限られたものを、「使用する機器・システムの要件」、「実施する施設・環境の要件」「運用上の遵守事項」を設定し、これら要件を満たす営業所において遠隔拠点間の点呼を実施可能とするもの。従来のIT点呼も引き続き利用可能となる。周知リーフレットを作成しており、広く制度を浸透させる。4月1日から申請を開始し、22年度は7-9月の開始予定で申請書提出期限を5月末、10-12月で8月末、1-3月で11月末とした。申請事業者(営業所単位)は期限までに管轄運輸支局長等に申請書を提出、要件を満たすと判断した申請を、4半期毎に行う運行管理高度化検討会に報告し、実施を認める。遠隔拠点間は営業所-車庫間、同一事業者内の営業所間、グループ企業の営業所だが、状況を見ながら場所については待合所、宿泊地など、範囲も事業が異なる営業所間、協同組合など対象拡大を検討していく。運行管理高度化検討会では運行指示者の一元化、運行時以外の業務一元化に向けた検討も進めている。点呼も含め複数の営業所の運行管理業務を1つの営業所に集約する全運行管理業務の一元化をシナリオのゴールイメージにとらえている。