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日本流通新聞4月18日付紙面から

ここが救援物資3PL基地

「箱物」施設、有事に大活躍

  岩手県岩手郡滝沢村にある、岩手産業文化センターが被災地への救援物資の一大物流基地として活躍している。
 20万m2という広大な敷地に、催事場、会議場、屋外展示場などを配したいわゆるコンベンションセンターで、東北道滝沢インターチェンジから至近なことから、物流拠点としてはうってつけの立地。
 しかも物資が集積している面積3600m2の催事場アリーナは、床の耐荷重が1m2当たり5tと頑丈で、大型車が直接乗り入れたり、飲料を積み上げたりすることが可能だ。天井も高く、パレットに積まれた救援物資がフォークリフトで次々と積み降ろしされていくという。
 ここでは、岩手県からの依頼を受けた岩手県トラック協会が「元請け」となって、日本通運盛岡支店が、全国から運び込まれた救援物資を取り下ろしてすぐに被災地に近い集積場所別に出荷する、いわゆる「クロスドッキング」機能を果たしている。
 本来、トラック協会の役割は、物資集積拠点までの幹線輸送のみで、その先は各県の仕事と分担しているが、県には物流のノウハウがないため、「餅は餅屋」ということでトラック運送会社が物資の仕分けまで引き受けている例が少なくない。国土交通省が行っている「物流専門家」の派遣もその一環だ。
 コンベンションセンターであるため会議室も完備しており、物流拠点の「司令室」として活用されている。
 「箱物行政」の典型のような施設で、平時なら事業仕分けされかねないセンターだが、図らずも訪れた有事に、大きな役割を果たしている。

岩手文化センター

救援物資の物流基地として活躍する岩手産業文化センター(全ト協撮影)

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