改正改善告示・上限規制、集中的に周知・広報

厚労省、長時間労働是正へ施策拡充

改正改善基準告示への対応について、運送事業者、荷主への周知徹底が求められる。厚生労働省は2024年度からの時間外労働時間の上限規制適用も含め、関係事業者や労働者への周知、さらに一般企業・国民に対する理解に向けた広報も集中的に行う。来年度概算要求にはこれら「自動車運転者の労働時間改善に向けた荷主等への対策事業」で2・6億円(今年度当初予算2・1億円)の拡充を盛り込んでいる。改正改善基準告示に関する意見募集が26日まで行われた。12月下旬告示予定で、24年4月施行までの限られた中でいかに周知させていくかが課題だ。トラックは、運送事業者に発着荷主、元請けや利用運送、自家用自動車や個人事業主、そして社会全般にも幅広い周知・広報活動が求められる。告示に合わせて厚労省では、事業者・運転者向けの広報・周知を行うほか、上限規制に関しても、適用猶予業種の事業者・労働者向け、一般企業・国民向けそれぞれに効果的な周知策を講じる。
●相談センターには100件超
厚労省は19年9月に「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」を開設するなど、荷主と運送事業者による取引環境改善への施策を進めてきた。今般の改正改善告示を検討する中でも、新たな荷主対策や、専用の相談センター窓口の開設など取り組みを強めている。8月に開設した「トラック運送事業者と荷主向けの相談センター」には、18日時点で相談件数が100件を超えた。これはトラック運送事業者からの労務管理、取引環境改善に関する相談と、荷主からも運送事業者ドライバーの長時間労働の原因改善に関する相談を受けるもの。無料で電話やウェブから専任担当者が対応し、希望に応じて物流コンサルタントが改善提案を行っている。相談の多くが運送事業者側からで、改正告示や上限規制の対応も含め労務管理に関する内容が中心という。うち10件超はコンサルタントが訪問対応している。荷主からの相談は「運送事業者から持ちかけられた」ものが多いのが実情である。現状、同センター開設は来年3月までの予定だが、概算要求には来年度の継続を盛り込む。相談を通じて上限規制や改正改善告示の理解、認知浸透を進めていく。
●バス、タクシー含め事業用自動車総合サイトに
ポータルサイトについては21年度でユーザー数9万1901人(同一ユーザー訪問含まず)と年々関心を高めている。これまでのトラック運転者だけでなく、バス、タクシー含め事業用自動車運転者の長時間労働改善に向けたサイトとして早ければ年内にもリニューアルする。こちらも改善告示、上限規制に関する情報提供を進め、長時間労働是正に向けた発信力を高めていく。