85社中46社が減収、物流企業23年度業績

今期は69社が増収予想

物流企業の2023年度決算が出そろった。本紙調査による上場、業績公表企業の85社では増収39社に対し減収が46社だった。期を通して輸送数量の低迷が続き、売上高では54%が減収となった。23年度業績で増収増益(営業利益)は22社で全体の26%にとどまる。増収減益が19社、減収増益は9社、減収減益は35社だった。適正運賃収受に努め運賃・料金は改善を示すも、国内輸送数量は実質賃金の減少を背景とした消費低迷も影響して伸び悩んだ。想定を下回り相次ぎ下方修正もみられた。燃料の高止まり、原価高も継続、2024年問題対策による経費増も収益を圧迫した。国際物流は円安による為替貢献はあったが、中国経済の停滞をはじめ需要減退の影響や、海上・航空貨物運賃も一部上昇も全体では底這い状況が続いた。一方で、増収企業39社のうち、24社が過去最高を更新、営業増益企業28社では13社が過去最高益となった。増収営業増益企業22社では11社が過去最高。売上高1000億円以上ではセンコーGHD、鴻池運輸、ニッコンHD、AZ-CОM丸和HD、サカイ引越センター。物量の減少傾向は、今上期も厳しい見方をするところが多いが、通年では回復を見込む。24年度業績予想では83社中69社(83%)が増収予想。増収増益予想は64社となる。