31フィート優先的促進

モーダルシフト方向性、官民分科会取りまとめ

国土交通省は「官民物流標準化懇談会モーダルシフト推進・標準化分科会」における「各検討事項に関する方向性と施策」を取りまとめ、公表した。分科会は①鉄道・内航海運の輸送力増強の方向性、②大型コンテナ導入の方向性、③コンテナ専用トラック、シャーシ、コンテナ、関連設備の導入方策などをテーマに7月から計3回実施し議論を重ねてきた。これを踏まえ必要な施策を講じる。
輸送力増強では、鉄道(コンテナ貨物)、内航海運(フェリー・RORO船等)それぞれ、輸送量・輸送分担率を今後10 年程度(2030年代前半まで)で倍増する。鉄道は20年度1800万トン(0・4%)を3600万トン(0・8%)、内航海運は5000万トン(1・3%)を1億トン(2・6%)とする。増加する輸送量6800万台はトラック約3万台分の年間輸送量と推計し、これは営業用トラック(普通車)台数約93万台の約3・2を占める。大型コンテナの導入では31フィートコンテナの利用拡大を優先的に促進しつつ中長期的に40フィートコンテナの利用拡大も促進する。早期推進の観点から幹線輸送の多くを担う大型トラックと容積が等しく、輸送管理や積荷作業を変更する必要が生じないなど31フィートの導入促進が効果的とした。鉄道貨物輸送の増加分を概ね31フィートコンテナと想定すると、現状約3600個の同コンテナに加え、新たに1万4千個程度を追加導入する必要がある。その確保に向けた支援とともに、貨物駅などの施設整備や設備導入の加速化、災害対応に向けた支援の必要性などを示した。内航海運はシャーシ等の必要数確保や新船の投入、船舶の大型化など所要の支援や内航フェリー・RORO船ターミナルの機能強化を促進する必要性を掲げた。モーダルシフトの促進は中長期的な設備投資を伴うことから、荷主・大型トラック事業者(業界)が作成・公表する自主行動計画とパッケージで進める。取組状況を適時フォローアップし、情勢等踏まえ必要となる対応方策を検討していく。