24年度5・1%増、矢野経済・物流15業種市場調査
運賃・料金上昇が要因
矢野経済研究所が16日に発表した物流15業種市場の調査結果によると、?2024年度の同市場規模は前年度比5・1%増の24兆6405億円を見込み、05年度は同0・5%増の24兆7650億円と予測した。20年度以降の市場規模はグラフの通り。右肩上がりから23年度は前年度比3・8%減の23兆4495億円と減少に転じた。ひっ迫していた需給バランスが解消され、海運、航空貨物輸送、フォワーディング等の業種で高騰していた運賃や料金など価格が下落したほか、国内外とも貨物輸送量が伸び悩んだ。24年度は、国際物流で海運や航空貨物輸送等の業種で荷動きの回復が見込まれるほか、中国発欧州・米国向け貨物輸送需要の増加に伴い、日本も含めたアジア発欧州・米国向けの運賃市況が再び上昇。円安の為替影響もあり、運賃上昇による海運市場規模拡大が続く。国内物流は引き続きドライバー人材確保へ人件費の上昇が加速。荷主への理解が進み、運賃へ転嫁しやすい環境となり、トラックの陸運を中心に市場規模を押し上げる要因となる。一方で食料品等値上げに対し、消費活動は足踏み状態が続くほか、円安に伴う輸入貨物量の減少が続くことも想定。総じて物量の増加要因は少なく、市場規模拡大は運賃や料金など価格上昇が主な要因と分析する。25年度の市場規模は0・5%の微増を予測。海運や一般港湾運送、特別積合せ貨物運送、引越の4業種が前年度比減少の見込み。3PL、普通倉庫、冷蔵倉庫、航空貨物輸送、鉄道利用貨物運送、鉄道貨物輸送、軽貨物輸送の7業種は増加を見込む。海運と一般港湾運送は、米国関税の引き上げの影響による輸出貨物量の低迷を加味し、3PLや普通倉庫などは、米国関税の引き上げの影響は不確定な要素が多く加味していない。3PLは着実に市場規模を拡大していく見通し。