7割が営業利益増益、上場物流企業3月期
今期増益予想6割、物量想定慎重
物流企業の2025年3月期連結決算が出揃った。本紙調査によると、上場する69社のうち、売上高で増収は60社(87%)、営業利益で増益は50社(72%)、増収営業増益は45社(65%)だった。一方で今期予想は米国関税措置の影響も含め不透明な要素が多く、物量では慎重な見通し。業績予想を公表する67社中。増収営業増益予想は39社(58%)となる。経営環境は、2024年問題への対応や、燃料をはじめとした継続的なコスト上昇圧力が収益を圧迫、さらに物価高による消費者の購買マインドに足踏みがみられ、既存物量での拡大が厳しい状況にある。こうした中、増収企業では新規拠点開発、新規顧客獲得など積極的な営業展開や、適正運賃・料金収受への継続的な取り組みが実を結び、また大手では拡販施策とともに、M&Aによる新規連結も大きく寄与した。利益面では24年問題に対応した上限規制への対応も含め、営業費用で傭車料、外注費、人件費などが増加したが、増収効果に、コスト適正化、物流効率化への施策により利益を伸ばしたところも多い。2ケタ増収は11社で、2ケタ営業増益は28社だった。今期業績予想では67社中増収は48社(72%)、営業利益増益は39社(58%)、増収営業増益も39社で前期より減少する。物量では宅配大手の予想で、ヤマトホールディングスは0・6%減(宅配便3商品)SGホールディングスは0・2%増を見込む。セイノーホールディングスは特積みの物量で0・5%減を想定。引き続き既存物量の拡大が厳しい中で、新規獲得と適正運賃・料金収受の取り組みを進める。