3四半期連続で悪化、全ト協7―9月期景況感

一般貨物低調、特積は改善傾向

全日本トラック協会(寺岡洋一会長)がまとめた7―9月期「トラック運送業界の景況感」によると、判断指数は前回(4―6月期)から4・1ポイント減のマイナス24・1、3四半期連続の悪化となった。一般貨物の輸送数量減少、燃料価格の高止まりや物価高による運送原価の上昇分を十分転嫁できず、利益が悪化傾向にある。事業環境の不透明感や人材不足、物価上昇などから10―12月期は5・3ポイント悪化のマイナス29・4を見込む。
7―9月期の一般貨物は、景況感がマイナス29・5(前回マイナス24・3)だった。輸送数量はマイナス14・9(前回マイナス9・9)、運賃・料金水準は15・9(同21・0)とそれぞれ悪化。営業収入(売上高)はマイナス11・3(同マイナス5・6)となり、運賃原価上昇に対して価格転嫁が十分に進捗せず営業利益はマイナス37・9(同マイナス35・6)となった。一方で特積貨物は、景況感が4・5(前回2・0)に上昇した。運賃・料金水準は22・1(前回25・3)に悪化したものの、輸送数量は12・8(同10・7)に改善し、営業収入は10・5(同7・3)、営業利益はマイナス2・4(同マイナス8・8)に改善した。10―12月期見通しは、一般貨物は景況感が6・7ポイント悪化のマイナス36・2。輸送数量が4・3ポイント、運賃・料金水準が3・9ポイント、営業収入が2・4ポイント、営業利益が1・5ポイントともに悪化する見通し。特積貨物は景況感が2・1ポイント上昇し6・6の見通し。運賃・料金水準は1・9ポイント悪化するが、輸送数量は2・4ポイント、営業収入は2・0ポイントそれぞれ上向く。営業利益も10・6ポイント改善しプラス圏内となる見通し。人手不足感では7―9月期が95・7(前回92・5)と不足感は高まり、10―12月期予想は97・6と一段と強くなる見込み。所定外労働時間は7―9月期がマイナス35・4(前回マイナス40・9)に増加し、10―12月期予想もマイナス32・9と増加見通し。貨物の再委託(下請への委託割合)は、7―9月期はマイナス18・8(前回マイナス14・2)と減少し、10―12月期はマイナス19・0を見込む。