適正化2法を早期実現へ
全ト協寺岡新体制が始動
全日本トラック協会の寺岡洋一会長は10日に開催した理事会後に記者会見し、「トラック適正化2法を1日も早く実行段階に移せるかが業界にとっても死活問題になる」とし、とくに事業許可更新制、適正原価の設定にスピード感を持って取り組む考えを述べた。全ト協が新設した「トラック適正化2法対策委員会」の委員長に就き、自ら率先して臨む姿勢を示した。トラック適正化2法は、5年毎の事業許可更新制、適正原価の設定、多重下請構造の是正、白ナンバートラックの利用禁止が4本柱。3年以内の施行へ調整を進めている。このほど就任した寺岡新会長は、新設した適正化2法対策委員会が肝であるとし、前会長の坂本克己最高顧問から「言い出しっぺがやれと言われ委員長に就いた。とりわけ更新制と適正原価の導入に全力をもって取り組む」意向だ。適正原価は、運賃・料金が継続してこれを下回らないよう義務化するもの。寺岡会長は「最低運賃であり、国交省からは現行の標準的運賃の95%を目標にしているとのこと。標準的運賃に対し実勢運賃は8割弱くらい。15%のアップとなると業界は生き返る」との感触を述べた。「行政とは温度差も感じるが、とくに最低運賃は1年半くらいで実現したい」考え。更新制については「適正化判定のD、Eの事業者には退場していただく。会員数が減っても我々のレベルアップを図ろうということであり、実行段階にしたい」との認識を示した。新会長としての運営面では「47都道府県いろんな問題を抱えるが、皆で知恵を出し合い解決できる問題はある。横の連携、風通しを良くすればいろんな展開が見えてくる」とし全ト協本部へ問題をあげてほしいと求めた。
●3委員会を新設
10日の理事会では会長指名による副会長の選定、委員会規定の一部改正などが承認された。委員会規定ではトラック適正化2法対策委員会のほか、社会的評価向上委員会、車両技術委員会を新設した。国土交通省の新任幹部が来賓あいさつし、石原大物流・自動車局長は「トラック・物流関係は貨物課総括補佐以来20年振り。当時、課題解決に向け協会、事業者の皆さまと意見交換させていただいたことが懐かしい。業界の解決に向け組織挙げて対応したい」と述べた。沓掛敏夫道路局長は「ミッシングリンク、4車線化、SA・PA、駐車マスの増設など働きやすい環境へ様ざまな取り組みを行っている。皆さまが活躍できる環境に力入れる」意向を示した。岡野まさ子大臣官房総括審議官は「3年前に自動車局審議官として担当し、当時のトラック法改正では坂本会長のリーダーシップで一致団結した取り組みに敬服した。再びともに仕事ができるのは光栄であり、業界と一丸で取り組みたい」と意欲を示した。会長指名副会長は以下の通り(敬称略)。赤上信弥▽吉田修一▽髙田和夫▽山口嘉彦▽松田直樹▽二又茂明▽御手洗安