運輸業「高リスク企業」減少、TDB倒産分析調査

全体では増加傾向

帝国データバンク(TDB)が18日に発表した、全国企業「倒産リスク」分析調査によると、運輸業で倒産リスクの高い企業(高リスク企業)は1万164社で、業種中分類別では3番目に多いが、前回調査(2024年12月時点)と比べると最も減少した。企業が1年以内に倒産する確率を10段階のグレードで表す指標「倒産予測値」が算出可能な147万社を対象に実施。6月時点で高リスク企業(グレード8~10)は全体の8・7%にあたる12万8552社だった。前回調査と比較すると1592社増加した。業種別の上位はグラフの通り。運輸業のうち、一般貨物自動車運送業は5981社だった。業種内の対象全企業に占める高リスク企業の割合をみると、出版・印刷・同関連産業が41・0%と最も高く、次いで飲食店38・3%、皮革・同製品・毛皮製造業37・6%が続いた。運輸業は21・7%、うち一般貨物自動車運送業は22・6%で全体の8・7%と比べると高い。一方、前回調査と比較して、高リスク企業数が増加した業種は総合工事業が最多で1107社の増加。逆に高リスク企業数が最も減少した業種は運輸業で1664社の減少だった。うち一般貨物自動車運送業は947社減少した。高リスク企業の減少は、もともと倒産リスクが高い企業が市場から退場したことが要因のひとつに考えられる。倒産企業のうち高リスク企業が占める割合は全体の41・0%に対し、運輸業は73・3%と高い割合を示した。TDBでは運輸業に関し「競争力の低い企業が淘汰されたことで、高リスク企業の数が減少しているものの、業界全体の課題が解決されたわけではない」としている。