運輸・倉庫2カ月ぶり改善、TDB5月景気調査

「トランプ関税」荷動き影響

帝国データバンク(TDB)が4日発表した5月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比0・9ポイント増の42・8と2カ月ぶりに改善した。うち一般貨物自動車運送業の景気DIも0・7ポイント増の40・6と3カ月ぶりに改善した。全体の景気DIは前月比0・1ポイント減の42・6と2カ月連続の悪化。大型連休が下支えする要因となったものの、物価の上昇による個人消費の低迷に、「トランプ関税」への不安感が響いた。大手自動車メーカーの動向が製造業の重荷となり、さらに仕入れコストの負担増が続いたことや受注減少が悪材料だったほか、長引く人手不足も下押し要因となった。今後は世界経済の不確実性の中で、当面弱含みで推移すると見込む。5月の運種・倉庫は、荷動きで1部建材関係や小口需要で動きが見られたものの、トランプ関税の警戒心が強い製造業の低迷が影響した。各指標をみると、仕入単価DIが67・2(前月70・5)に下げたが、販売単価DIも58・9(前月60・0)に減少。雇用過不足DIは正社員64・1(前月63・8)、非正社員56・8(前月57・3)だった。物流関係者からは「トッランプ関税で輸入・輸出製品の荷動きが悪化。価格が上乗せされ、購買意欲の鈍化による荷動きの低下が顕著」(一般貨物運送)、「博多港取扱いの海上コンテナの減少が続く」(集配利用運送)、「ゴールデンウイーク明けの荷動きが鈍い。自動車部品や機械関連も輸出の動きが悪く、米などの値上げの影響か買い控えの兆候もみられる」(段ボール箱製造)など荷動きで厳しい声が聞かれる。見通しも「中国景気悪化の影響が続くほか、トランプ関税の影響も予想」(組立こん包)、「トランプ関税の影響で国内の自動車生産が減少する」(普通倉庫)や、「原油価格の高止まりと人手不足の影響は続く」(一般貨物自動車運送)と懸念する。運輸・倉庫業界の景気DI見通しは、3カ月後44・2、6カ月後45・7、1年後45・8となる。