トラックは指標低下、TDB5月景気動向

コスト影響続く

帝国データバンク(TDB)が発表した5月景気動向調査では、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比0・6ポイント増の37・2と2カ月連続で改善したが、燃料価格の高止まりなどコスト上昇が依然としてマイナス要因となり、一般貨物自動車運送の景気DIは低下した。全体の景気DIは前月比0・4ポイント増の41・2。中国ロックダウンなど海外情勢の影響を受けた工場の稼働停止などもみられたが、大型連休の人手増加など個人消費の持ち直しが続き3カ月連続で上向いた。運輸・倉庫業も荷動きが上向き普通倉庫が改善したほか、低迷していた旅客運送も上昇傾向。一方で調査対象の約6割を占める一般貨物自動車運送の景気DIは0・9ポイント減の36・4と2カ月ぶりに悪化した。運輸・倉庫業界全体で仕入単価DIは72・4、前月より2・1ポイント減だが依然高水準。販売単価DIは横ばいの53・2。雇用過不足DIは、正社員は横ばいの59・0、非正社員は55・2(前月55・1)となっている。事業者からは「貨物輸送トラックがここ数週間で増加」(普通倉庫)、「値上げ依頼に顧客も理解し、収益改善に繋がる」(港湾運送)の一方、「運賃料金の値上げは不十分で採算割れは解消できない」(一般貨物自動車運送)と価格転嫁が進まない声も聞かれる。見通しも「ウィズコロナで経済活動の全再開を見込み、設備投資と物量の増加を期待」(一般貨物自動車運送)とする一方で、「原価上昇に対して即座の対応が難しい」(こん包)など厳しい声も聞かれる。運輸・倉庫業界の景気DI見通しは3カ月後40・9、6カ月後43・9、1年後47・1。