4カ月ぶり改善も収益環境厳しさ

TDB4月景気動向調査

帝国データバンク(TDB)が9日発表した4月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比1・2ポイント増の36・6と4カ月ぶりに改善した。飲食料品などの荷動きが徐々に回復しつつある一方、燃料価格の高止まりは多くの企業で悪材料となり、収益環境は引き続き厳しい状況にある。全体の景気DIは前月比0・4ポイント増の40・8と2カ月連続で改善。人出の増大で個人消費関連が上向いた。今後は急速な円安によるコスト負担増が下振れリスクとなるが、緩やかな上向き傾向で推移するとみる。一方で原材料の高騰や燃料価格の高止まり、急激な円安で仕入単価DIは28 業種、販売単価DIは17 業種で過去最高となった。運輸・倉庫業界の仕入単価DIは過去最高を記録した前月より0・5ポイント減の74・5、販売単価DIは1・4ポイント増の53・2と2020年1月(53・6)以来の高い水準。燃料価格は頭打ちの状況だが、政府の支援策効果や価格転嫁も徐々に動きが見られるようだ。しかし仕入れDIは依然高水準で足元は厳しい。また雇用過不足DIは正社員59・0(前月59・9)、非正社員55・1(同55・6)となっている。運輸・倉庫業界のうち、調査対象の約6割を占める一般貨物自動車運送の景気DIは前月比1・5ポイント増の37・3と4カ月ぶりに改善した。運輸・倉庫業界の景気DI見通しは3カ月後39・0、6カ月後41・3、1年後44・6。貨物関係の事業者からは景気回復への期待が聞かれる一方、「慢性的な人手不足、燃料の高止まりなどネガティブ要因」(一般貨物自動車運送)、「新型コロナウイルスやウクライナ問題、為替の動向が不透明」(普通倉庫)など影響の長期化を懸念する。