3分の2が営業増益、物流74社第3四半期

10-12月は下振れ

上場物流企業の4-12月期決算は概ね増収増益基調となったが、電気料金や燃料価格、仕入価格などコスト上昇圧力が強まり、後半にかけては既存物量の鈍化も影響した。直近の10-12月期では業績の下振れも聞かれ、通期予想では大手でヤマトホールディングス、SGホールディングス、福山通運などが下方修正するなど慎重な見通しだ。本紙調査によると、3月期連結決算を発表した上場物流企業74社のうち、売上高で増収だったのは64社(86%)、うち2ケタの増収は28社(38%)だった。営業利益では74社中49社が増益(66%)、うち2ケタ増益は42社(57%)、3分の2が増益だった。前回の4-9月期連結決算の本紙調査では、同じく74社中売上高の増収は69社(93%)、2ケタ増収は37社(50%)、営業利益の増益51社(69%)、2ケタ増益43社(58%)と割合は下がっている。とくに2ケタ増収の割合が減り10-12月期での伸び悩みも伺える。上期もコスト圧力を受けたものの、正常化の動きに伴う需要増から既存物量の回復や新規受注、料金・価格改定などが進み業績を伸ばした。しかしコスト圧力の上昇が強まり、既存物量の鈍化もあり10-12月期業績に影響したとみられる。一方で国際物流は期初よりも運賃高騰は落ち着いたものの、海運各社や大手倉庫は市況好調さの持続に為替影響もあり、通期業績予想の上方修正も相次いだ。通期予想は公表する73社中増収65社、営業増益49社と4-12月期とほぼ同じ割合である。弱含む需要動向にコスト上昇圧力が続く中で、労働力確保へ待遇改善の施策も迫られる。宅配大手の運賃改定など適正運賃・料金収受の動きや、経費適正化、一段の効率化による収益力強化に取り組む。