運輸・倉庫2カ月ぶり改善

TDB調査 全体見通し「おむむね横ばい」

帝国データバンク(TDB)が発表した7月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比0・7ポイント増の37・8と2カ月ぶりに改善した。昨年12月(40・3)以来の水準まで戻した。調査対象の約6割を占める一般貨物自動車運送の景気DIも1・5ポイント増の36・9と2カ月ぶりの改善となった。全体の景気DIは前月比0・1ポイント減の41・3となり小幅ながら5カ月ぶりに悪化した。季節需要が一部で表れたものの、感染者数の増加による個人消費関連の下押しが響いた。出社制限など雇用面への影響が表れる業種もみられた。TDBでは感染拡大や、値上げによる消費者心理の冷え込み、燃料価格の高止まりなど下振れ要素が重なり、今後の見通しをこれまでの「緩やかに上向く」から「おおむね横ばい傾向」としている。運輸・倉庫業の7月の指標をみると、景気DIは物量の回復などで上向いた。しかしコスト上昇傾向が続き、仕入単価DIは74・0(前月73・6)と2カ月連続で上昇。販売単価DIも54・7(前月54・2)と2019年11月(55・3)以来の高い水準となったが、仕入れ単価DIとの開きは変わらない。また雇用過不足DIも正社員60・9(前月59・5)、非正社員56・2(前月54・9)と不足感が高まっている。事業者からは「燃料に加え、車両価格やタイヤも値上がりし、コストの転嫁がなかなか進まない」(一般貨物運送)などあらゆる分野におけるコスト上昇懸念が聞かれる。見通しも「円安やインフレ傾向で景気動向が心配。人手不足も深刻度を増す」(同)、「新型コロナウイルス、ウクライナ情勢に関わる影響が不透明(こん包)」と厳しい状況だ。TDB調査による運輸・倉庫業界の景気DI見通しは3カ月後39・1、6カ月後41・1、1年後45・3となっている。