輸送のCO2排出量算出

日通が「ワンストップ・ナビ」

日本通運(齋藤充社長)は14日から国内で輸送する際に二酸化炭素(CO2)排出量など事前に算出できる新サービス「ワンストップ・ナビ」の提供を開始した。輸送コストの削減やCO2排出量を削減したい企業を支援する。これらを組み合わせた新サービスの提案で新規顧客の獲得に乗り出す。「ワンストップ・ナビ」は、パソコンやスマートフォン、タブレット端末から発着地・個数・重量を入力するだけで、いつでもどこでも陸・海・空の様ざまな輸送モードを比較・検討できるサービス。運賃およびリードタイム、CO2排出量などの視点から同社のネットワーク輸送網を駆使。利用者が求める最適輸送モードを提案する。とくにCO2排出量については、輸送毎に異なる集配距離を地図データと連携して距離を計算し正確な排出量が算出できる。この算出方法は第三者機関(SGSジャパン)による検証を受けており、物流業界では初めて。計算したCO2排出量データは行政などへの公的な手続きへの利用も可能となっている。深刻化する環境問題への対応に日本政府は2050年のカーボンニュートラル宣言し、温室効果ガス削減が企業に求められている。省エネ法や温対法といった一定規模以上のCO2や温室効果ガスを排出する企業は削減や国への報告が定められている。これらを背景に脱炭素事業に取り組む企業が増加しているが、CO2排出量の計算をどのようにすればよいか分からないといった課題があった。同社では今後、ワンストップ・ナビを顧客・案件毎にカスタマイズしたツール「エコトランス・ナビ」の提供を準備する。顧客の輸送実績データをもとに、現行の輸送とエコ輸送のCO2排出量を比較。コスト削減とCO2削減を組み合わせた営業提案を行っていく。