製造業牽引で回復傾向、TDB7月景気調査
仕入れ単価は上昇続く
帝国データバンク(TDB)が発表した7月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比1・8ポイント増の36・3と2カ月連続で改善した。コロナ感染症の影響が大きく表れていなかった2020年1月(39・5)に近い水準となる。景気全般には木材や金属、燃料などの価格上昇が各業界で引き続き懸念材料となっている。全体の景気DIは前月比1・6ポイント増の40・7と2カ月連続の改善。新規感染者数の増加が続いたものの製造業が牽引して回復傾向が続いた。10 業界中8業界が改善し、海外経済の回復で半導体や自動車関連などを中心に輸出が増加傾向。一方で材料、燃料など仕入単価DIは62・2と14 カ月連続で上昇している。運輸・倉庫業界のうち、調査対象の6割を占める一般貨物自動車運送の指標は38・1と前月比1・8ポイント改善、コロナ禍の落ち込みから回復した4月(38・3)に近い水準。燃料価格の上昇、コンテナ不足や海上運賃の高騰といったマイナス要因は継続するが、堅調なEC関連に製造業や建設業の回復傾向による荷動きなどプラス材料になった。運輸・倉庫業界の各指標では、燃料価格など仕入れ単価DIが65・1(前月62・5)と上昇が続く。65超は2018年10月(69・6)以来。運賃・料金を示す販売単価DIは49・7(前月48・9)に上昇した。雇用過不足DIは正社員57・3(同56・5)、非正社員は53・8(同52・5)といずれも高まった。