荷待ち・荷役削減へ指針、日食協

発・着荷主間で明確化

日本加工食品卸協会(日食協/國分晃会長)は「荷待ち・荷役作業削減に向けた加工食品業界の取組みガイドライン」を策定した。トラックドライバーの拘束時間の削減、トラック輸送能力の最大限の活用に向けた施策と実行への手引きとなる。荷待ち削減へ入荷予約受付システムの利用促進はじめ7項目を提示したほか、荷役作業など発・着荷主双方の業務範囲を明確にした。国は荷主業界・分野別に物流改善へ自主行動計画の作成を求めている。日食協は食品業界の製配販5団体によるFSP(フードサプライチェーン・サステナビリティプロジェクト)における行動指針をもとに自主行動計画の作成を進めており、ガイドラインはその具体策となる。とくに荷待ち・荷役対策が急務であり、発・着荷主間で明確に定義した。日食協の物流問題研究会と、大手メーカー8社による食品物流未来推進会議で昨秋から検討。適用範囲はメーカー拠点(発荷主)から卸拠点・小売専用DC(着荷主)への納品となる。長時間の荷待ちの削減施策として、①入荷予約受付システムの利用促進、②事前出荷情報(ASN)データの普及、③入荷時間枠の見直し、④車両の相互活用、⑤先行在庫の検討、⑥発注頻度の低減、マザーセンター化の検討――を示した。発着荷主と物流事業者の業務効率化を前提に事前に十分協議し、いずれかに負荷が偏らないよう留意する。予約システムは導入が進む一方、予約枠の不足、希望予約時間帯と確定時間帯の乖離、時間指定の増加、複数システムの乱立、予約業務負荷の増大など物流事業者の負担が深刻化しているとし、導入目的を明確に発着荷主双方協議のもとでの導入が望ましいとした。ASNデータは発荷主から着荷主へデータをあらかじめ送信することで、立会い検品の免除(検品レス)や、(優先)入場後即時退場を実現する。入荷時間枠は早朝や午後などオフピークにも入荷枠を拡げコアタイムの入荷車両数を分散する。車両の相互活用では卸車両によるメーカー-卸間納品や、メーカー車両による卸-小売店舗間配送など、発着荷主が相互活用し台数削減や積載効率の向上を目指す。先行在庫は着荷主のセンターに発荷主名義の在庫保管を行い、着荷主の発注に基づき名義変更するもの。大口配送による車両台数の削減や、物流センターのスペースの有効活用を図る。荷役作業では工数の見直しや削減に発着荷主双方が継続して取り組むことなど留意事項とした。その上で荷役作業現場の安全対策、フォークリフト作業、商品の整列作業など要点を示した。整列作業やその他作業については発着荷主の業務範囲を明確にした。