繁忙期の自家用有償運送改正
宅配需要増で期間追加
国土交通省は1日付で、年末と夏期等繁忙期における自家用自動車の有償運送許可に係る通達を改正した。ネット通販事業など宅配貨物量の変化を踏まえ、対象時期を見直して春期繁忙期を追加したほか、申請手続きの合理化や、使用される自家用車の管理を厳格化した。同通達は輸送需要が極端に増大し、事業用自動車のみでは輸送力の確保が困難となる年末年始・夏季等の繁忙期に限り、許可を得たトラック運送事業者が運行・労務管理などの安全指導を行うことを前提に、自家用車の活用を例外的に許可するもの。近年の消費者ニーズの多様化や電子商取引の増加などを背景に、ラストワンマイル輸送が増加する繁忙期がトラック運送事業者ごとに多様化している。こうした輸送実態を踏まえ、良質な輸送サービスを確保し、利用者ニーズに応えるため弾力的に運用できるよう改正を行ったもの。期間はこれまでの夏期(6月15日~8月12日)、秋期(8月13日~11月9日)、年末(11月10日~12月31日)各繁忙期に加え、春期繁忙期(3月10~31日、4月20~30日、5月6~15日)を追加設定した。許可申請についてはトラック運送事業者による代理申請に限定した。申請は年初1回で足り、その年の運送実績を翌年2月末までに報告書として提出することとした。一方、管理の厳格化ではこれまで輸送品目の制限がなかったが、原則ラストワンマイル配送のみとした。許可対象として新たに「営業所に配置されている事業用自動車と同数までの自家用自動車について、一両当たり年間90日」とした。