社会実装へ協議会発足 SIP地域物流
中ロット共同輸配送を普及
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)であるスマート物流サービスで構築した、商流・物流需給オープンプラットフォームを活用し、地域物流モデルを社会実装する「SIP地域物流ネットワーク化推進協議会」が発足される。まず、地域の中堅・中小企業間が連携・協働する「中ロット貨物パレット共同輸配送」の構築、普及、啓蒙を目指す。設立発起人会が5日に行われ、座長にローランド・ベルガーの小野塚征志氏、運営委員長に東京大学先端科学技術研究センター教授の西成活裕氏を選任。スマート物流サービスの4テーマの1つ、地域物流の代表研究機関であるセイノー情報サービスが事務局となる。11月から活動を開始し11 月 16 日に設立総会を開く。ワーキンググループ(利活用、普及啓蒙、調査)を設け今年度3回の会合を予定。7月からホームページを開設し会員を募集しており、1日現在で74社(荷主24社、運送事業者28社、その他物流関連サービス22社)が加入している。地域物流の社会実装は東海-関東間から進め、その後関西、全国に拡大、協議会は将来的なJV(共同出資体)移行への前駆体と位置づける。中ロット貨物パレット共同輸配送は、業種業態を超えた共同輸配送で、自社や同業者だけでは達成できないトラック輸送の積載率、運行効率の向上を図るもの。①商流情報(納期回答情報)を活用した物量予測による計画的な輸送リソースの確保②運送依頼者に対する日付調整による輸配送物量の山崩しを実現する。セイノー情報サービスによると、スマート物流サービスの概念検証として昨年8月に実施した共同輸配送(岐阜-千葉)では積載率で約22%向上、ドライバー拘束時間で約18%短縮。これをベースに8、9月に社会実証を行っている。小野塚氏は「トラック積載率は営業用で4割を切り、自家用で2割を切る。これを1・5倍にすれば荷主のコスト軽減と、理論上3割のトラックが減ることで人手不足にも対応できる。競争領域でなく協調領域ととらえたい」と多くの企業の参画を促す。