着荷主に実効性措置

持続可能な物流検討会が骨子案

7日に開かれた第4回 「持続可能な物流の実現に向けた検討会」で、事務局が中間とりまとめ骨子案を提示した。ガイドラインにインセンティブをつけて有効に機能させることや、類似の法令を参考に規制的措置など、とくに着荷主を念頭により実効性のある施策の検討を盛り込んだ。検討会は国土交通省、経済産業省、農林水産省が連携し有識者、関係団体等の委員で構成、9月に立ち上げ年度内に中間取りまとめを行う。これまで事業者ヒアリングを行いながら、①労働時間規制の影響、②物流危機に対する消費者・荷主の理解、③物流プロセスの課題、④物流標準化・効率化への環境整備について論点整理を行い、それぞれ方向性を示し議論を進めてきた。今般の骨子案には論点整理した4つの課題について要点を記述した上でこれを踏まえて基本的な政策の方向性を示した。物流に関し取り組むべき事項については、多くのガイドラインが存在するが、物流の課題は解決していない状況にある。このことからガイドラインにインセンティブを打ち出すことや、とくに着荷主を念頭に置いたより実効性のある措置も検討すべきとした。さらに物流事業者が提供価値に応じた適正対価を収受するとともに、物流事業者の構造改革・生産性向上を図り、物流事業者・発着荷主(消費者を含む)がウィンウィン となる社会を目指す。具体的な措置としては、物流プロセスの課題について、①待機時間・荷役時間など労働時間削減や、納品回数の減少、リードタイムの延長など物流の平準化、②契約条件の明確化、多重下請構造の是正などの運賃の適正収受、③物流コスト可視化、④貨物自動車運送事業法に基づく荷主への働きかけ・標準的な運賃に係る延長等所要の対応――について検討する。荷主企業や消費者の意識改革については、①物流に係る広報の推進、②物流改善の取組が評価されるような仕組み、③経営者層の意識改革を促す措置、④消費者に求められる役割――を検討する。物流標準化・効率化ではデジタル技術を活用した共同輸配送・帰り荷確保や、官民連携による物流標準化の推進、物流拠点ネットワークの形成の支援、モーダルシフト推進への環境整備、省エネ化・脱炭素化の推進に向けた環境整備、その他生産性向上を図るための措置を検討する。委員の意見を反映し次回(1月19日予定)会合で中間取りまとめ案を提示する。