特性事項や工程表、荷主団体自主行動計画

物流改善へ業界一丸

荷主関係団体が「物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画」を相次ぎ策定・公表している。国がガイドラインで示す、荷待ち・荷役時間の2時間以内ルールや物流管理統括者の選任、契約の書面化、運賃と料金の別建て契約などを明記するほか、業界特性に応じた事項もみられる。工程表を示すところもありそれぞれ業界が一丸となり物流改善に動く。政府が6月に発表した「物流革新に向けた政策パッケージ」では、業界・分野別の自主行動計画の作成・公表を年内に求めており、経済産業省、国土交通省、農林水産省が取りまとめた「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」に沿った形で関係団体が策定している。これまで公表した中で業界特性に応じた独自事項も明記している主な団体は表の通り。1日に公表した日本自動車工業会の自主行動計画には「確実な実行と遵守状況の定期的なフォローアップに率先して取り組む」とし物流事業者や自動車関連団体と連携し物流を持続可能なものにさせていく方向を示す。独自の取り組みでは生産部品、完成車、補給部品各物流で共同物流を推進するほか、計画の各事項をPDCAサイクルで会員各社の物流を改善。2028年度までの日程表を作成した。日本半導体製造装置協会は30年度までの工程表を作成。ガイドライン、業界独自それぞれの事項の進捗を示す。荷待ち・荷役時間2時間以内ルールでは、達成している事業者も「30%程度」のさらなる削減目標を掲げた。独自の取り組みでは共同輸送や標準化のほか「運転時間を法定拘束時間以内にする」(発荷主)、「入荷時間の時間割を設定」(着荷主)なども盛り込んでいる。石油連盟の工程表では、荷待ち・荷役2時間以内ルールと物流管理統括者の選任を24年度に実施。荷待ち・荷役時間の把握については記録収集方法の詳細を示す。
●実態調査を反映
日本百貨店協会は9月に全百貨店に向けたアンケートを実施、その実態を踏まえて策定した。荷待ち・荷役時間では発着荷主どちらの立場でも9割前後の店舗が30分以内、残りの店舗もほぼ60分以内に作業を完了しているが、さらなる短縮に努めるとしている。独自項目の「深夜検品の廃止」は百貨店、物流、アパレルの3業界で取り組んでおり、検品作業を日中に移行、納品時間を開店後にずらして物流事業者の深夜業務のうち検品作業を削減し、ドライバーの労働時間を短縮する。リードタイムの緩和は1台のトラックによるピストン運行や集約運行などを実践する。日本加工食品卸協会、食品スーパーマーケット3団体(オール日本スーパーマーケット協会、全国スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会)は、大手食品メーカーによる食品物流未来推進会議を含めた製配販3層によるフードサプライチェーン・サステナビリティ・プロジェクト(FSP)で策定した「加工食品業界製配販行動指針」に沿った内容となる。荷待ち・荷役時間は第1ステップとして2時間以上の時間短縮、第2ステップとして1時間以内を目標に設定した。
●個別企業も公表
個別企業でも日清オイリオグループがガイドラインを踏まえた自主行動計画を公表しており、団体の公表を受けて荷主企業の動向も注目される。また、自主行動計画は物流事業者団体にも作成・公表を求めている。全日本トラック協会は2017年に策定した「トラック運送業における適正取引推進、生産性向上及び長時間労働抑制に向けた自主行動計画」を10月27日付で改定。国のガイドラインへの対応として「実運送事業者への対価の支払い状況の確認」、「標準的な運賃の考え方を活用した運賃・料金の設定」などを追記している。