物流企業決算、2ケタ増収5割

上場69社、3分の2が増収営業増益

上場物流企業の4-9月期決算は、4-6月期に続き概ね増収増益基調となった。フォワーディング、国際物流の運賃高騰の継続や為替の影響も大きく寄与したほか、国内の物流も経済・社会活動の正常化から堅調な動きをみせた。電気料金や燃料価格、仕入価格の上昇は期初予想を上回り、コロナ特需の剥落もあったが、正常化の動きに伴う需要増が見られる中で、既存物量の回復や新規受注、さらに料金・価格改定などが進んだところを中心に業績を伸ばした。本紙調査によると、3月期連結決算を発表した上場物流企業69社中64社が増収、51社が営業利益増益となった。増収営業増益は46社と全体の3分の2。売上高の2ケタ増収は34社と半数を占めた。海運各社や倉庫大手が大幅に伸ばしたほか、国際物流やEC関連を主力事業とするところが引き続き需要を取り込み、事業を拡大した。これら企業では通期予想の上方修正も相次いだ。中国のロックダウンの影響による取扱い減少や、深刻化する半導体や部品などサプライチェーンの混乱によるメーカーの生産調整などの影響を受けたところもあるが、減収企業も下げ幅は1ケタ台前半の小幅である。12月期決算のNXホールディングスは7月以降下期に入っても国内外好調を維持、3度目の売上・利益の上方修正を行った。通期業績予想は公表する68社中増収62社、営業増益46社、営業増益45社とほぼ上期と割合は変わらない。足元は燃料高騰の高止まりに電力料金や仕入れコスト増が続く。物量回復と価格改定も一定程度進むが、下期にこれらコスト圧力の影響をどこまで受けるかは不透明だ。生産性向上への取り組みに、経費の適正化、外注費抑制などでコスト高を吸収した収益改善策の成果もみられる。これら踏み込んだ施策の一方、積極投資による新規設備の稼働や新規受注・領域拡大、M&A効果など売上増による収益拡大も見据える。