物流コスト比2年連続減、JILS調査

物価上昇に転嫁追い付かず

日本ロジスティクスシステム協会(JILS、大橋徹二会長)がまとめた2023年度物流コスト調査報告書(速報値、有効回答208社)によると、売上高物流コスト比率は5・0%、前年度から0・31ポイント減少した。2年連続の減少となったが、21年度に過去20年で最も高い5・7%を記録し、22、23年度調査はその揺り戻しとも見る。指数分析からは物流単価は上昇傾向で、それ以上に物流量に対する売上高(販売単価)の伸びが大きい。23年度調査で業種大分類別では、製造業5・16%(前年度5・34%)、卸売業4・13%(同5・71%)、小売業5・32%(同3・51%)、その他5・42%(同5・71%)だった。前年度と比較できる2年連続回答企業(141社)の売上高物流コスト比率では0・15ポイント下降の5・28%。製造業が0・09ポイント、卸売業が0・68ポイントそれぞれ下降し、小売業が0・91ポイント、その他が0・96ポイント上昇した。値上げ要請では、回答企業(166社)の86・7%が要請を受けたと回答。コストの種類は輸送費が134社で最も多く、次いで荷役費68社、保管費66社、包装費60社、物流管理費20社だった。22 年度調査では76・2%が要請を受けたと回答しており10・5ポイント上昇した。値上げ要請を受けた企業のうち92・4%が「応じた」と回答し、この割合は22年度調査よりも2・8ポイント下降した。
●物流コスト単価は増加
一方、売上高、物流量、物流コスト(総額)の3項目について、前年度からの変化(増加/横ばい/減少)を指標化した指数分析では、22年度の指数(23年度調査)は売上高+44、物流量-4、物流コスト+35。物流量の減少に比べて、売上高の増大が顕著である。仕入価格や製造原価、販売管理費の上昇分が価格に転嫁され荷主企業の売上高に影響する一方、物流事業者の転嫁が進んでいないようだ。JILSでは多くの荷主企業が値上げ要請には応じていると回答したが、荷主企業の売上高ほど物流コストが伸びていない調査結果からは、物価上昇の速度と比較して、物流コストの価格転嫁が追い付いていない可能性があると見ている。23 年度の指数(見通し)では、売上高+26、物流量-2、物流コスト+39となり、売上高の増大を物流コストの増大が上回る予測となっている。