燃料高騰が中小に打撃

全国中央会10月調査

全国中小企業団体中央会(全国中央会)が発表した10月の中小企業月次景況調査によると、運輸業の景況DIは前月より5・4ポイント悪化のマイナス43・1となった。対前月比ではコロナの影響で大きく落ち込んだ2020年4月以来の下げ幅となる。売上高DIは改善を示すが、急激な燃料価格高騰が中小事業者の収益を圧迫している。全19業種の主要3指標では前月比で景況5・3、売上高4・1、収益状況2・1ポイントそれぞれ上昇した。緊急事態宣言等の解除を受け、小売業、サービス業の非製造業を中心に景況感が改善した一方、製造業は部品不足や原材料価格高騰が収まらず依然厳しい状況が続いている。景況DIで最も落ち込んだのが電気機器(15・5ポイント減)で、運輸業はこれに次ぎ2カ月連続の悪化となった。運輸業は売上高DIが6・2ポイント改善のマイナス11・5と荷動きの回復感はあるが、原料高騰の影響など収益状況DIが4・6ポイント悪化のマイナス46・2まで下げた。5月にマイナス27・3まで改善したがその後5カ月連続の悪化となる。他の運輸業指標では販売価格が7・7(前月5・4)と燃料高の価格転嫁も一部見られる一方、取引条件がマイナス11・6(前月マイナス9・3)、資金繰りがマイナス27・7(前月マイナス25・4)、雇用人員がマイナス20・2(前月マイナス16・9)といずれも悪化した。貨物関係事業者からは荷動きで明るさが聞かれる一方、「10月に入り燃料は大幅に価格を上げ、経営は厳しい」、「10月軽油単価交渉は大幅な値上げが予測され、特に長距離の運送事業者には大きな打撃」など燃料高騰への懸念が聞かれる。コロナの影響も「コロナ前に比べて企業や個人の考え方に変化が生じ物流の考え方も変わってきている」と先行きの環境変化を不安視する。