港湾労働者不足 4割以上が影響

国交省が実態調査、年度内にも対策

国土交通省は、全国の港湾運送事業者を対象に行った「港湾労働者不足に関する実態調査」の結果を公表した。過半数で港湾労働者が不足しており、 4割以上で港湾運送への影響が生じるなど港湾労働者不足の実態が浮き彫りとなった。国交省はこの結果を踏まえ、業界関係者と意見交換を行い、今年度中にも施策の方向性を取りまとめ、対策を講じる。2019年度下期の時点で、「不足」「やや不足」が55%と過半数の事業所で港湾労働者の不足を感じている。20年度は新型コロナウイルス感染症の流行に伴う荷動きの減少から不足感が緩和しているが、25年・30 年頃の見通しは 63 %が「不足・やや不足」とし、 今後、港湾労働者の不足感が強まると予想する。「不足・やや不足」に回答した場合の特に不足感が強い職種については全体的に不足(55%)、沿岸荷役作業員(22%)、船内荷役作業員(18%)の順となっている。労働者不足による港湾運送への影響では「影響あり」41%、「影響なし」45%。今後、港湾運送への影響が拡大することが懸念される。具体的な影響(複数回答)として、平日でも入港隻数が多いと船社の希望日に荷役ができない (25%)、休日の荷役が困難(23%)、夜間の荷役が困難(20%)、二交替・三交替による連続荷役が困難(18%)、大型船の荷役が困難(10%)、一部の取引先の荷役を断っている(6%)となっている。