新年度から「三つ星」、働きやすい職場認証制度

より高水準へ、改善へのPDCA審査

2020年度に創設された自動車運送事業者の「働きやすい職場認証制度」で、2023年度から「一つ星」、「二つ星」に加え、新たに「三つ星」が導入される。国土交通省が22日に発表、「二つ星」取得事業者を対象に9月19日から新規受付を開始する。認証項目を追加するほか、働きやすい職場実現のための方針、課題、目標、改善への行動計画、体制整備などを事業者が主体的に設定し、その改善に向けたPDCAが適切に回っているかについても審査する。同制度(認証実施団体=日本海事協会)は自動車運送事業者の働き方改革の取り組みを「見える化」したもの。22年度からは「一つ星」取得事業者を対象に「二つ星」を導入している。これまでの認証事業者数(一つ星)は3402社(トラック2439社、バス229社、タクシー752社)。今般、「二つ星」取得事業者のより高い水準への移行を促すため新たに「三つ星」を導入した。23年度の申請スケジュールは、「一つ星」新規・継続と「二つ星」新規の受付期間が7月18 日~9月15 日、認証事業者の公表は24年2月以降順次。「三つ星」新規の受付期間は9月19 日~10 月16 日、事業者の公表は24年3月以降順次。審査要件は、A法令遵守等、B労働時間・休日、C心身の健康、D安心・安定、E多様な人材の確保・育成、F自主性・先進性等の6分野で取組要件を満たしていること。Fは「二つ星」、「三つ星」のみで「一つ星」は参考点として点数化。「三つ星」では、B、C、Eについて認証項目を追加した。
●インセンティブ強化
国交省では認証取得のインセンティブをさらに強化する。これまでハローワーク求人票への認証マークの表示や、求職者とのマッチング支援、認定推進機関の協力による「求人サイトに認証事業者の特集ページの掲載」、「設備改修工事の料金割引」なども行っている。22年度第2次補正予算補助金では、トラック関係で「テールゲートリフター導入支援」の予算額超の際、認証事業者を優遇するほか、認証事業者を申請対象とした「予約受付システム等支援及び大型等免許取得支援」を予定。さらに「二つ星」、「三つ星」認証事業者のうち対面審査を行った営業所には長期間、監査を実施していないことを端緒とした監査の対象から除外することができる規定の整備も実施予定。