新たな切り口、方向性を、物流連真貝新会長

物流発信〝一歩踏み込む〟

日本物流団体連合会(物流連)の会長に就任した真貝康一JR貨物代表取締役会長は、6月27日の総会後に記者会見し「歴代会長が進めた活動を踏襲しながら政府の物流政策パッケージに沿い新たな切り口や方向性を持ち、物流業界全体のさらなる発展を目指す」と抱負を述べた。その上で「団体活動の原点に立ち戻り、コロナ禍で中止していた活動を再開し会員各社の声、関係業界、事業者の声を広く聞く。サプライチェーンを構成する製造、流通、小売りや消費者の方々をはじめ、国や政府関係者とも対話や連携を進めていきたい」との考えを示した。同日の総会、理事会において就任した真貝新会長は「2024年問題をはじめ深刻な労働力不足やカーボンニュートラルへの対応など諸問題が山積する。これを解決し、持続可能な物流を実現するために4つの取り組みに重点を置く」とし①物流を等身大でみていただく、②社会インフラとしての物流機能の強化、③物流分野の環境対策、④物流事業の海外展開の支援――に重点を置く方針を示した。等身大の取り組みは、これまでも物流連の活動の柱の1つとして、とくに若い層に対する物流の発信や、24年問題を目前に荷主や一般消費者に対しても取り巻く厳しい環境や現状に対して理解、協力を求めてきた。真貝新会長は「これまでの経験をもとに新たな切り口や方向性を持ち広報のやり方も工夫し、等身大でみていただくことから一歩踏み込む。会員と充分な議論をしながら発信の方法も含め検討したい」と意欲を示した。物流機能強化では「労働力不足に対応し官民共同でデジタル化や物流標準化、自動化などを進めて生産性向上を図るとともに、高齢者や女性など多様な人材が活躍できる就業環境の整備促進などに取り組む」考え。環境対策では「引き続き好事例を広く関係者で共有し横展開する取り組みを継続する」とし物流環境大賞やモーダルシフト優良事業者表彰など表彰制度を実施していく。海外展開支援では「多くの事業者が海外事業を拡大している状況にあり各国における事業遂行の円滑化や有事の際のサプライチェーンの多元化、強靭化が共通課題」とし、引き続き会員間の情報共有や官民連携を図りアジア各国の物流事業の調査などを進める。
●物流の革新を推進
物流連は同日の総会と理事会で2022年度決算案と役員選任を審議し承認された。役員改選期ではないが1部出身団体・企業の異動に伴い実施。池田潤一郎会長が退任し真貝新会長が就任したほか、6月30日付で日本船主協会会長に就任予定の明珍幸一川崎汽船代表取締役社長が新たに副会長に就任した。また、副会長から選定する代表理事には栗林宏吉副会長が就任。山田哲也理事が業務執行理事事務局長に就任した。総会後には懇親会を開き、来賓挨拶した斉藤鉄夫国交大臣は「物流の政策パッケージを実効性あるものとするため引き続き働き方改革と安定的、持続的な物流の確保にスピード感を持って取り組む」と述べた。加えて先日開かれた伊勢志摩G7の交通大臣会合に言及。「各国とも物流の持続可能性に大きな関心を持っていた。G7がしっかり連携しながら価値観を共有して物流の新しい流れをつくろうと議論をした」など物流の革新を強く推進する意向を示した。