改善基準告示見直し議論が本格化

トラックは7月取りまとめへ

労政審自動車運転者労働時間等専門委員会トラック作業部会(第3回)が21日に開かれ、実態調査結果を踏まえたトラックの改善基準告示見直しの議論が本格化した。荷主都合による影響を考慮するよう求める使用者側と、改正の目的である過労死防止に向けた見直しを主張する労働者側には意見の隔たりがあり、さらに議論を重ね7月を目途に内容を取りまとめる。改正改善基準告示(2024年4月施行)は22年内の告示公布に向け検討が進められ、既に事務局から修正案が示されているハイヤー・タクシー、バスは3月頃に内容を取りまとめる。トラックはコロナ禍の影響も踏まえた実態を反映させるため昨年10月に2回目の実態調査を実施、これを踏まえた議論を進め7月頃に内容を取りまとめる。21日の会合で労働者側は年3300時間・一カ月275時間の拘束時間(現行3516時間・293時間)をあらためて提示、拘束時間は調査結果でも概ね減少し、多くの事業者が年3300時間未満で運行していると指摘した。使用者側は荷主都合の影響がある休日労働込みの3300時間は実状に合わないとのこれまでの主張を示した。1日の拘束時間(現行13時間/最大16時間)では、宿泊を伴う運行は最大18時間とし休息期間(現行8時間)を11時間とするなどメリハリをつけた運用を求める使用者側に対し、労働者側は過労死防止の観点からも認められないと主張した。これら意見の隔たりは自社裁量でない荷主都合の影響によるところが大きく、使用側はとりわけ着荷主の荷待ちを指摘する。同日の国交省の説明では荷主への働きかけによる違反原因行為では「長時間の荷待ち」が48・6%と半数を占める。部会長の藤村博之法政大学大学院教授は「時間を守らない荷主の荷物は運ばない。この議論を契機に商慣行を変えるべき」と取引適正化の動きにも言及した。使用者側は運送会社に罰則があることについて荷主にも何らかの働き掛けを厚労省監督署に求めるなど、荷主も同じ土俵で遵守しなければ長年の商慣行を変えるのは難しいと訴えた。労働者側も荷主対策には理解を示すが、荷待ちは発・着荷主、元請けなど踏み込んだ実態把握が必要とし、改善基準告示の議論とは別に、省庁連携の中央協議会などで講じるべきとの見解を示した。