改善告示見直し、トラックの報告案が承認

長時間・過重労働防止へ周知徹底

8日の労政審自動車運転者労働時間等専門委員会トラック作業部会(第10回)で事務局の厚生労働省が報告案を提示、委員の承認を得た。トラックの改善基準告示の見直し案が取りまとめられ、次回の専門委員会に提出、バス・タクシーとともに最終取りまとめを行う。2024年4月の施行に向けて11月にも改善基準告示の改正を行う。見直しのポイントは以下の通り。拘束時間は現行より原則年216時間、月9時間の削減となる。月最大310時間も年3400時間を超えない範囲で年6回まで、また284時間超も3カ月超えて連続しない、月の時間外・休日労働は100時間未満に努めるとした。1日の休息期間では長距離については運行を早く切り上げてまとまった休息を取れるよう例外を規定。連続運転時間における「運転の中断」は「原則休憩」とし、SA・PAに駐車できないなど、やむを得ない場合は30分延長可能とした。特例では分割休息は「3時間+7時間」も可能とし、分割休息が連続する時間を短縮。2人乗務は車両が一定基準を満たす場合は拘束時間を延長するが、運行終了後11時間以上の休息を確保する。事故や災害時など「予期し得ない事象」の例外的取扱いを規定した。前回合意が得られなかった連続運転時間と特例の分割休息、2人乗務については通達の記載で内容を労使検討することも含め承認を得た。委員の指摘のあった白ナンバーの対応について事務局は「改善告示の対象でありリーフレットへの明記や関係者への周知を図る」とし、荷主・元請への周知とともに利用運送事業者にも「国交省とも協議する」など告示の理解、浸透を徹底する考えを示した。
報告案を受け使用者側は「実態に即し、荷主対策も一定の配慮をいただいた。総拘束時間の縮減と労働環境の改善に努め、過重労働、過労死防止の観点からトラック運送業界一丸で取り組む」、「若い人にも魅力ある職場へ、荷主にも商慣行の見直しを働き掛けたい。利用運送の立場としても協力会社が順守できるよう努力する」とコメントした。労働者側は「改善部分は評価したいが、緩和された部分もあり残念。懸念が払拭されるよう一層の監督指導と実効性の確保」を求めた。また「施行後3年以内に実態調査とそれを踏まえたさらなる見直し」を要請しており、この点について事務局は「バス、タクシーとも関わり専門委員会の最終取りまとめの議論で課題にあげる」とした。厚労省の梶原輝昭審議官は「全体で大幅な改善内容となった。改正とともに関係通達も速やかに発出する。24年4月の施行へ荷主への要請も速やかに行い事業者、労働者、関係者に広く浸透させる。指摘があった運用面で実効性をあげるようしっかり指導監督する」と述べた。