各産業で小ロット化、物流センサス速報

出荷量減少、営業トラックシェア拡大

国土交通省は、第11回全国貨物純流動調査(物流センサス)の速報結果を公表した。出荷量はコロナの影響もあり減少、営業用トラックのシェアは拡大しているほか、出荷1件当たり貨物量(流動ロット)は小ロット化が進んでいる。調査は5年ごとに実施。調査票を2021年10 月に配布し、約2万2千事業所から回収した。感染拡大で1年延期したが、電子回答を調査の主体とし調査全体の情報量は約1・6倍となった。出荷量では21年調査(20年度23 億2千万㌧)は15年調査(14年度25億3千万㌧)に比べ8・2%減少した。コロナ禍の影響もあり、10年調査比15年調査の2・4%減より大幅な減少だった。産業別年間出荷量の推移はグラフの通り。15 年調査比で倉庫業が15・4%増加の一方、鉱業は13・3%、製造業は9・6%、卸売業は13・6%の減少となった。品類構成では化学工業品が35・1%と最も大きく、次いで鉱産品(21・0%)、金属機械工業品(16・9%)。年間出荷量の発地域(全国10地域)構成では関東、中部、近畿発の貨物が全体の56・6%を占める。発都道府県別では愛知県が最も出荷量が多く、伸び率では岩手県、宮城県、高知県で高い。貨物流動量では77・1%が地域内、22・9%が地域間。過去からの推移では関東地域内と九州地域内での地域内流動のシェアが拡大し、地域間流動のシェアもわずかに高まっている。代表輸送機関の分担状況ではトラックが85・5%を占め、営業用のシェアが拡大傾向。営業用は21年調査68・6%(15年62・9%)、自家用は同16・9%(21・4%)。出荷1件当たり貨物量(流動ロット)は、平均0・70㌧/件。10年0・95㌧、15年0・98㌧と15年調査では下げ止まりがみられたが、再び小ロット化の傾向。いずれの産業別でも小ロット化が進み、代表輸送期間別ではコンテナ船とその他船舶を除き小ロット化、品類別では軽工業品と特種品は拡大しているが、他の品目では小ロット化となっている。
【全国貨物純流動調査】貨物の出発地点から積み替えを経て到着地点までの流動(純流動)を把握するため、荷主側(鉱業、製造業、卸売業、倉庫業の4産業)から貨物の動きを捉えた統計調査。