医薬品WGを設置、フィジカルインターネット実現会議

関係者連携効率化進む

2024年度フィジカルインターネット実現会議が6月26日に行われ、官民取り組みの進捗や事例紹介、意見交換を行い、新たに医薬品ワーキンググループ(WG)の設置を承認した。2022年3月に策定した「フィジカルインターネット・ロードマップ」(目標年次2040年)実現へ、進捗管理・検証を進めており、年1回程度会議を開催している。業種・業界別でアクションプラン(目標年次2030年)を作成する各WGでは、関係者が連携し物流の効率化を進めている。スーパーマーケットWGでは物流サービスの高低に応じて物流コスト分を上下させる「メニュープライシングガイドライン」や、物流拠点を一意に識別するための「物流標準事業所コード」 の付番ルールを策定した。百貨店WGはシステム検討会の実証実験を踏まえ、百貨店統一伝票の運用の見直しや、EDI活用の方向性を検討、 アクションプラン見直し案を示しており、今後百貨店業界主導で物流効率化の取り組みを図る。建材・住宅設備WGは納品条件適正化に向けたガイドラインを策定。納品条件の見直し・透明化を進め、物流の負担軽減と適正化を図るため、 WG参画団体が連名で策定した。70社以上が参画する化学品WGは、物流共同化の可否・実行可能性を検討し、独禁法に配慮しながら、「発着地住所」、「荷姿」、「物流数量(月間数量)」など検討に必要な情報を共有する体制を構築したとしている。4つのWGに加え医薬品WGを設置する。商取引の標準慣習の見直し、標準化、効率化・デジタル化などアクションプランを策定し、業界内の主要プレイヤーへ呼びかけ、実行を進める。今月末を目途に体制を確定する。医薬品業界は24年問題による物流の影響のほか、メーカー毎で物流・品質要件が異なり、個社で最適化は進むも、業界全体で効率的な施策を打つことが難しい。卸物流でも、卸営業所からの複数回日の配送が慣例化し、 卸企業・配送業者の大きな負担となっている。ライフラインを支える医薬品物流を持続可能なものにするには、国の取り組みと強固に連携し、医薬品メーカー、卸、物流会社が協力して課題解決へ取り組むことが肝要としWGを設置する。