仕入れ高止まりも販売単価は過去最高

TDB10月景気動向、運輸・倉庫2カ月連続改善

帝国データバンク(TDB)が4日発表した10月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比2・5ポイント増の40・7と2カ月連続で改善した。旅行業や観光バスの景況感が大きく上向き、調査対象の約6割を占める一般貨物自動車運送は同0・1ポイント増の39・5にとどまるが4カ月連続の改善。引き続き燃料高騰が収益を圧迫する中で、運輸・倉庫の販売単価DIは56・4と過去最高となった。全体の景気DIは前月比0・7ポイント増の42・6と3カ月連続で改善した。個人向けサービスが上向いた。全国旅行支援が開始され、宿泊業や旅行業など観光関連が大きく回復。一方、円安や原材料・燃料価格の高騰で仕入単価DIは21 業種、販売単価DIは19 業種で過去最高となった。今後は、サービス消費やDX需要の拡大などが期待され、緩やかな改善傾向で推移すると見込む。運輸・倉庫業界の各指標はグラフの通り。景気DIの40・7は2019年12月(42・6)以来の水準となりコロナ禍では最も高い。各指標は仕入単価DIが71・7(前月72・3)に下げたが、依然高止まりである。一方で販売単価DIは56・4(前月55・9)と、2018年11月(56・3)を上回る過去最高水準。燃料高騰の影響は大きいが価格転嫁の動きも伺える。また、運輸・倉庫の雇用過不足DIは正社員62・8(前月61・4)、非正社員58・4(前月57・8)となり人手不足感も高まっている貨物関係の事業者からは「コンテナ取扱量、取引先取扱量とも回復」(港湾運送)など聞かれる一方、依然として「燃料費の高騰、価格転嫁ができていない」(一般貨物自動車運送)。先行きは「新型コロナ以降産業の構造が変わり、先行き読みづらさはあるが、TSMC関係の需要が見込まれる(一般貨物自動車運送)、「半導体不足の影響で、自動車の生産調整の先行きが不透明(こん包)、「外航の円安傾向はしばらく続きそうで、内航はこのまま売り上げが伸びなければ、船舶の海外売却後の廃業が増加する」(内航船舶貸渡)など不透明感が強い。TDB調査による運輸・倉庫業界の景気DI見通しは3カ月後42・8、6カ月後44・3、1年後46・5となっている。