事例広がる「中継輸送」
スワップボディ車実証、大王製紙ら4者実
トラック運送業の労働環境改善へ、複数事業者が参画した中継輸送の新たな実証が行われている。大王製紙、伊藤忠ロジスティクス、三井倉庫ロジスティクス、デンソーテンは、運送事業者4社(アートバンライン、遠州トラック、フジトランスポート、優輪商事)の協力で、スワップボディコンテナ車両を用いた四国-関東間中継輸送の実証実験を実施、ドライバーの長時間労働改善など一定の成果を確認した。実証実験は3月7~11日に行った。荷主と運送事業者のマッチングやトラックとコンテナの整合性を図り、異なる運送事業者が参画できる中継輸送の可能性を検証。ドライバーが間違ったコンテナを運ばないよう、QRコードを用いた「幹線中継輸送運行管理システム」を使用した。一部の運行では輸送業務と荷役作業を分離し、荷役作業を荷主が行い、ドライバーの負担軽減や長時間労働の改善につながった。また、スワップボディコンテナ車両を活用した中継輸送は、トラックの走行距離や待機時間のアイドリングを削減し、CО2排出量を抑える効果も期待できるとしている。スキームイメージは図の通り。荷物を大王製紙(四国工場⇔エリエールペーパー富士宮工場=静岡)、伊藤忠ロジスティクス(静岡事業場⇒豊浜事業場=香川)、三井倉庫ロジスティクス(関東事業所⇒四国事業所)が提供し、2カ所の中継地点(大阪府南港、三重県亀山)を設置した。大王製紙が荷役分離の検討、デンソーテンが荷主・運送事業者のマッチング、運行スケジュール立案、幹線中継輸送運行管理システムを提供した。同実証は既に2020年8月から始めており今回が4回目。2回目からスワップボディコンテナ車両を使用している。過去3回は関西-関東間だったが、今回は距離を伸ばし参画者も増やした。事業者マッチングを行うデンソーテンによると、参画事業者は総合物流施策大綱の柱の1つ〝担い手にやさしい物流の実現〟へ共通認識を持つ。今後の実証や実用化については未定だが、トラックドライバーの労働環境の改善へ、こうした実証事例を広く周知していく必要があるとしている。