主要DI軒並み悪化、全国中央会8月調査

物価高に燃料コスト高止まり

全国中小企業団体中央会(全国中央会)が9月25日に発表した8月の中小企業月次景況調査によると、物価高騰で消費者の節約志向が高まっていることや、燃料コストの高止まりにより、大半の業種で景況感は悪化した。運輸業も主要DIが前月比で軒並み悪化。エネルギー・原材料価格上昇分価格転嫁の遅れや人手不足問題による収益力の低下が見られる。全体では景況DIが前月比3・9ポイント減少のマイナス20・5、売上高DIが5・2ポイント減少のマイナス1・6、収益状況DIが2・7ポイント減少のマイナス25・3。売上高のマイナスは今年1月(マイナス6・8)以来となる。物価高、エネルギーコスト高に、10月からの最低賃金の引き上げを目前に控え、多くの事業者から原資の確保を懸念する声が寄せられている。運輸業は景況DIが1・2ポイント減のマイナス25・2と4カ月連続の前月比減少。売上高DIは6・3ポイント減のマイナス6・3と2カ月ぶりの悪化で再びマイナス圏内。収益状況DIは3・6ポイント減のマイナス29・9と2カ月連続の悪化となった。他の運輸業の指標では、販売価格が21・3(前月20・2)と増加したが、取引条件はマイナス5・5(前月マイナス0・8)、資金繰りはマイナス15・8(前月マイナス14・8)、雇用人員はマイナス22・0(前月マイナス21・7)とそれぞれ前月より悪化した。貨物関係者からは「木材加工品、鉄鋼等の輸送量は減少しているが食料品や日用品は概ね横ばい状態。多くの荷主企業が運賃の上昇を受け入れているが、燃料高騰に追いつかない」(貨物自動車)、「受注件数は増加、引越料金は前年と同等で売上高は増加したが、燃料費の高騰が響く」(貨物運送)、「自動車関連の取扱高は前年比50%増加で部品調達は大分改善されたが、燃料価格は原油価格が高水準で推移」(一般貨物自動車)と依然として燃料高が収益を圧迫する状況が続いている。
「軽油単価が大幅な値上がりとなり、荷主との値上げ交渉が厳しい中、収益の確保ができない」(貨物運送)、「燃料高騰と人件費アップが収支に大きな影響を及ぼしており荷主へ運賃値上げを要請している」(運輸・倉庫)などコスト上昇分の価格転嫁に懸命だ。