一般貨物落ち込む、TDB1月景気動向調査

運輸・倉庫2カ月ぶり悪化

帝国データバンク(TDB)が発表した1月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比1・0ポイント減の43・5と2カ月ぶりに悪化した。一般貨物自動車運送業が2・2ポイント減の40・2と落ち込み4カ月ぶりに悪化した。全体の景気DIも前月比0・7ポイント減の44・2と4カ月ぶりに下げた。能登半島地震の影響ほか、暖冬による季節商品の不振や自動車メーカーの不正問題などがマイナス要因となり、改善傾向がストップした。今後は2024年問題など構造的な悪材料を抱えるなか、賃上げの継続が焦点となり横ばい傾向で推移するとみる。運輸・倉庫業界は年末需要を取り込んだ12月がコロナ禍以降最も高い水準だったが再び景況感を下げた。各指標はグラフの通り。販売単価DIは58・4(前月59・6)、仕入単価DIは66・9(前月68・0)とともに下げた。雇用過不足DIは正社員63・6(前月63・6)、非正社員58・2(前月57・8)と人手不足感は引き続き高水準。このほか、設備稼働率も47・8(前月48・2)と低調、売上DIも49・5(前月51・8)と芳しくなかった。物流関係の事業者からは、「外航は、マーケットは良くないが円安に助けられ、内航はコストアップが急激に利益を圧迫している」(内航船舶貸渡)、「物流の2024年問題への対応の遅れや製造業の輸出入の減少が響いている」(一般貨物自動車運送)など厳しい声が聞かれる。先行きは「EC市場はまだまだ上昇傾向にある」(貨物軽自動車運送)など期待の一方、「世界的な不景気が長期化し、原料・燃料高騰が響くなか価格転嫁はなかなか進んでいない」(港湾運送)、「2024年問題や軽油の高止まりで好材料が見当たらない」(一般貨物自動車運送)など依然として転嫁対策をはじめ懸念材料が多い。運輸・倉庫業界の景気DI見通しは、3カ月後45・2、6カ月後45・8、1年後47・3となっている。