ドラレコをフル活用

安全への挑戦―下― コフジ物流 堂坂社長

大阪府枚方市に本社を置くコフジ物流は、関東~関西間の輸送を得意とする、社員数240人、保有車両数210台の運送会社だ。

2005年に首都高速で重大人身事故を起こしたのを機に、「二度と同じ過ちを繰り返さない」との決意の下、社員の安全意識向上に取り組んだ。

とくに、2007年にはドライブレコーダーを全車に導入し、点呼時にヒヤリハット映像を使って指導するほか、研修で全員で検証・討議するなど、事故の未然防止にフル活用している。

堂坂佳延社長は「当初はドライバーが嫌悪感を抱いていたが、事故時の映像など、次第に自分が守られていることに気付いてきた」と振り返る。

ドライバー評価制度を導入し、安全、品質はもとより、車両の確認、大きな声でのあいさつ、身だしなみなどを定期的に確認し、基準を満たせば手当を支給するようにした。「物を運ぶだけでなく、顧客から選ばれる運送会社をめざす」(同)との考え方だ。

車両確認は毎週土曜日に行い、安全窓の視界確保、運転室内の整理整頓などをチェックする。身だしなみでは、制服の正しい着用のほか、染髪や無精ひげを禁止した。

堂坂社長は「合言葉は『自分を大切に』で、自分と家族の笑顔を守っていくための安全対策であることを従業員がわかってくれるまで続ける」と話す。

「健康なくして安全なし」との考えで、従業員の健康管理も重視する。

SAS(睡眠時無呼吸症候群)の定期検査を全社員に実施し、過去に重大事故を惹起した2人がSASであったことも判明した。治療後、完治すれば元の職場に復帰するが、治療が困難な場合は、配置転換を含めて定年まで働ける雇用システムを確立した。

健康管理には、家族の協力が欠かせない。給与明細書に「家族通信(社内報)」を同封し、安全と健康の情報を発信している。

また、春と秋の年2回、バーベキュー大会を開催し、自社内の菜園や養鶏場、果樹園での収穫体験を通じて食への関心を高めている。

高齢ドライバーの雇用対策として、体力と能力に配慮した配送コースを準備しているほか、フォークリフトオペレータや倉庫作業員への配置転換、非運転業務の拡充などに努めている。

雇用を増やすには、安定した仕事や高い給料だけではなく、福利厚生が魅力的だったり、生涯働くことができる環境が重要だ。

堂坂社長は「微力だが取り組みを継続し、安全・品質の向上、魅力ある業界作り、運送事業の発展に貢献できれば」と語っている。(おわり)

コフジ物流 堂坂社長

コフジ物流 堂坂社長