トラック売上高21・6兆円

TSR 2.6万社を調査

東京商工リサーチ(TRS)の調査によると、全国の道路貨物運送業者2万6698社の2021年(1月期-12月期)の売上高合計は、21兆6823億5700万円(前年比1・1%増)と2年連続で伸長した。最終損益が判明した1万5525社の当期純利益合計は、4089億8400万円(同6・0%増)だった。ただ、コロナ前の前々期から徐々に赤字企業が増え、最新期は21・7%の企業が赤字だった。調査は、東京商工リサーチの企業データベース(390万社)から「道路貨物運送業」のうち、一般貨物自動車運送業と貨物軽自動車運送業、集配利用運送業を対象に21年1~12月期を最新期とし、3期連続で業績比較が可能な企業2万6698社(最終損益は1万5525社)を抽出し、分析した。21年は拡大した宅配需要を取り込んだ大手を中心に、売上高を伸ばした企業が多かった。一方、当期純利益の合計は4089億8400万円の黒字(前年3857億3200万円の黒字/前年比6.0%増)だった。コロナ前の19年の3887億5600万円を5・2%上回った。最新期で損益が判明のした1万5525社のうち、黒字は1万2155社(構成比78・2%)に対して、赤字は3370社(同21・7%/前期19・0%/前々期15・7%)と、初めて2割を超えた。また、2021年に50億円以上の黒字を計上したのは6社(前年5社)、50億円以上の赤字を計上したのは1社(前年1社)だった。21年の売上高別の最多は「1~5億円未満」の1万3135社(構成比49・8%)。次いで「1億円未満」が6734社(同25・5%)、「5~10億円未満」が3242社(同12・3%)と続いた。売上高5億円未満が75・3%となり、道路貨物運送業の大半を中小・零細事業者で占める。売上高100億円以上244社のうち、1000億円以上は6社にとどまった。大手の寡占化が進んでいる。