コスト増に転嫁追い付けず

全国中央会6月調査・運輸業

全国中小企業団体中央会(全国中央会)が25日に発表した6月の中小企業月次景況調査によると、運輸業の主要DIは前月比で景況が悪化、売上高、収益状況は改善も小幅にとどまった。エネルギー・原材料価格上昇分の価格転嫁が遅れていることや、人手不足の問題が引き続き収益力の足かせとなっている。荷主の理解で一定の転嫁は進むがコスト増をカバーできない状況が続いている。全体では景況DIが前月比0・2ポイント減少のマイナス14・9、売上高DIが0・9ポイント増加の2・3、収益状況DIが1・1ポイント増加のマイナス20・5。人流の回復で非製造業では景気は持ち直しの動きが見られるが、製造業では資源高の影響が大きく、収益状況は依然厳しい状況が続いている。価格転嫁への遅れや人材不足を背景に、大半の指標は概ね横ばいで推移した。運輸業は景況DIが2・1ポイント減のマイナス18・6と2カ月連続の悪化。売上高DIは0・9ポイント増のマイナス10・0と2カ月ぶりの改善だがほぼ横ばいで水面下。収益状況DIは1・7ポイント増のマイナス20・9と2カ月ぶり改善も小幅である。他の運輸業の指標では、販売価格が17・0(前月9・3)と再び上昇、価格転嫁が一定程度進捗する。取引条件もマイナス0・8(前月マイナス1・5)と改善を示した。資金繰りもマイナス10・8(前月マイナス16・4)に改善、雇用人員はマイナス21・0(前月マイナス25・0)と前月より持ち直したが依然として人手不足の影響は大きい。貨物関係者からは「輸送原価は上昇基調の一方、価格転嫁は遅々として進まない。輸送数量が減少し利益を圧迫」(道路貨物)、「荷主との価格交渉も話を聞いてはくれるが値上げはごく一部で多くがコストに見合わない若干の値上げにとどまる」(同)、「荷主側の理解で価格転嫁は進むが、原材料費、光熱費、人件費等上昇分を賄うほどの額ではない」(貨物)など転嫁が追い付かない状況だ。「件数は微増で特に法人引越の受注が増加するが、資器材や燃料の価格高騰が続き収益は前年と同等」(貨物)、「平均的に物流稼働はみられるが、輸出向けがが鈍く国内向け輸送が活発で、中小運送業者は全体的な増加を望んでいる」(一般貨物自動車)など物量も全体的には回復基調まで至っていない。