さらなる転嫁率向上を、中企庁調査結果

ラック前回から改善も低位

中小企業庁が11月28日に発表した9月の価格交渉促進月間フォローアップ調査結果(速報版)によると、トラック運送業のコスト上昇に対する価格転嫁率は24・1%と前回(3月調査19・4%)から上昇したものの全27業種で最も低い。価格交渉は行われたが全く転嫁できなかった企業の割合は29・2%で最も高く、放送コンテンツ業や通信業とともに「労務費の割合が高く、重層的な下請構造で個人事業主も多い」という構造的な課題が指摘される。下請中小事業者がコスト上昇分を取引価格に適切に反映されるよう、中企庁は3・9月を価格交渉促進月間とし、発注側企業に価格交渉に応じるよう促し、成果を確認するため、事後的にアンケートと下請けGメンによるフォローアップ調査を行っている。今回、受注側企業に送付したアンケート調査の回答数は3万5175社、回答から抽出される発注側企業数は延べ4万2924社となった。全業種の傾向では「発注側企業から交渉の申し入れがあり、価格交渉が行われた」割合が前回3月調査から倍増(7・7%→14・4%)し、「価格交渉を希望したが交渉が行われなかった」割合は10ポイント程度減少(17・1%→7・8%)した。また「コストが上昇せず、価格交渉は不要」と回答した受注企業の割合が16・4%で3月から約8ポイント増加するなどコスト上昇が一服、あるいは既に価格転嫁が出来たため価格交渉を不要と考える企業が増加した。一方「コストが上昇したが、下請から価格交渉は不要と判断し、交渉しなかった」割合が16・8%存在。この中には「交渉資料を準備できない」、「価格改定の時期が数年に1度」などの理由で機動的な価格交渉が出来ていないという課題もある。トラック運送業は価格交渉に応じた業種別で前回最下位の27位から今回22位まで改善したが、価格転嫁率は最下位から脱しきれない。
●取引適正化を徹底
転嫁率は全業種では45・7%と3月調査(47・6%)から微減。27業種中トラック運送業含め12業種が上昇した。価格交渉と価格転嫁の関係を業種別で比較したところ、「交渉には応じたが転嫁に全く応じなかった」企業の割合が全業種11・4%に対しトラックは29・2%と最も高い。2割超は通信業、放送コンテンツ業含めた3業種で①コストに占める労務費の割合が高い、②多重下請構造や多くの個人事業主が存在―で共通する。西村康稔経産大臣は同日の会見で「今後、こうした業種を中心に下請Gメンによる重点的な調査、ヒアリングなどを行い業界全体の取引適正化を徹底していきたい」と述べた。公正取引委員会などとも連携し、粘り強く価格転嫁対策を進めていく考え。