「物流Gメン」、特定技能追加を

自民倉庫議連で日倉協要望

5月29日の自民党物流倉庫振興推進議員連盟総会で、倉庫業界団体が2024年問題への対応や価格転嫁への支援、来年度概算要求、税制改正などの要望を行った。冒頭あいさつした議連の金子恭之会長代行は「取引適正化や省人化、価格転嫁、電気料金高騰、カーボンニュートラルへの対応など重要課題が山積する。解決には予算確保など必要な施策の実現に皆が力を合わせること」と呼び掛けた。日本倉庫協会の久保高伸会長は「24年問題の影響調査を実施したところ、倉庫現場では既に様ざまな問題が発生している」とし、倉庫業界にしわ寄せが来ないよう荷主の理解と協力を求めた。具体的には今回の改正法で荷主が作成する中長期計画において①リードタイムの延長、②オーダーカットの前日化、③物量の標準化などの項目を判断基準に盛り込むこと。また、ドライバーが行っていた荷役作業を倉庫事業者が肩代わりする際の適正な対価の支払いや、一貫パレチゼーションの費用負担で倉庫会社に不当な負担が強いられないよう配慮を求めた。価格転嫁の推進では政府の実効性ある取り組みが不可欠とし、「トラックGメン」に準じた「物流Gメン」の創設を要請。さらに「育成就労制度創設の動きで外国人材を物流現場に活用できる機運が高まった。物流倉庫もフォークリフト作業など人手不足が顕著である」とし、特定技能制度に倉庫業を追加することへの支援を求めた。日本冷凍倉庫協会は予算編成で脱フロン・脱炭素化推進事業の補助率改善(2分の1)、24年問題への適切な対応、電力の安定供給と価格安定への支援を、全国定温倉庫協同組合は政府所有米穀の保管料に関する電力等価格転嫁、制度運用の改善を要望した。関係省庁の政策説明、意見交換を行い、議連は24年問題の対応など円滑な事業運営環境の実現や、DX・GX等による物流の効率化について、国会、政府に強く要請することを決議した。

24年問題対応など要望する久保日倉協会長