関係者の連携で全体最適を

2017年から2020年までの4年間を対象期間とした、次期物流施策大綱が今夏閣議決定される。その次期大綱に向けた有識者検討会の提言案が大筋で了承された。

少子高齢化など社会構造が変化するなかで、経済と国民生活を支えるインフラとしての物流がその機能を発揮するためには、生産性の向上が不可欠だ。

根底にあるのは「人口減少下では、労働集約産業はどこかで破綻し、物流危機につながる」(国土交通省の重田雅史物流審議官)との危機感だ。5年ごとに策定されてきた物流大綱は今回、第6次を迎えるが、「これまでの20年とは違う」(同)のだ。

提言は、物流の「全体最適」を志向した。これまで物流の現場では、ともすれば「部分最適」が優先されてきた。貨物の特性や荷姿、荷主の考え方などから、オーダーメイド型のサービスが提供されてきたが、「部分最適」を追求するだけでは、「その非効率性が他の関係者に転移される等のひずみが残ることとなり、全体の視点での最適な物流とはならない」として、全体最適の必要性を訴えた。

具体的には、荷主や物流事業者などの関係者が連携して、「調達物流の改善、物流と製造との一体化等も含め製・配・販全体としての効率化と付加価値の向上を図っていく必要がある」と明記した。

データや荷姿などが事業者ごとに異なると、相互連携を図る際に障害となるため、「共通ルール化や全体での標準化を進める必要がある」とされた。

その際求められたのが、IoT(インターネット・オブ・シングス)、BD(ビッグデータ)、AI(人工知能)などの新技術によるデータの活用だ。提言案では、「物流分野で革命的な変化をもたらし、サプライチェーン全体の最適化を進める有効な手段となる」として、積極的な活用を促した。

キーワードとなるのは、やはり「連携」や「協働」であろうか。サプライチェーン全体の効率化や価値の創造に向けて、荷主や物流事業者など事業者間の連携は欠かせない。効率化策として提言案では、情報の共有や荷待ち時間の削減、共同物流への取り組みのほか、データの標準化、パレット化などのユニットロードの標準化、RFIDの利用拡大などをあげた。

今や物流企業の成長の源泉となっているアジアでも同様だ。サプライチェーン全体を効率の良いものとするためにも、関係者の叡智が求められている。