避けて通れぬ働き方改革

全日本トラック協会が、トラック運送業界の働き方改革実現に向けたアクションプランをまとめた。

トラック運送業界では、長時間労働などを背景にドライバー不足が深刻化しており、将来の担い手確保のためにも、働き方改革が喫緊の課題となっている。

トラックを含む自動車運送事業の運転業務については、昨年3月の「働き方改革実行計画」で、年960時間の罰則付き時間外労働上限規制の導入が決定。昨年9月に石井国交相から、業界としてもアクションプランを策定するよう要請されていた。

トラックドライバーの長時間労働抑制、職業としての魅力向上、人手不足対策などを内容としたもので、業界としても主体的に取り組む。

基本方針には、長時間労働の是正はもとより、優秀な人材を呼び込むため、ドライバーの処遇、労働環境、労働条件の改善に努めることを盛り込んだ。物流条件の調整やコスト負担等についての理解促進を図るため、国や荷主を含めた関係者と緊密なコミュニケーションをとるとし、場当たり的な対策ではなく、目標達成に向け途切れることなく取り組むとしている。

その数値目標には、時間外労働が960時間を超えるトラック運転者が発生する事業者の割合を、2021年度に25%、22年度に20%、23年度に10%に、規制の適用が始まる24年度にはゼロとすることを掲げた。

このスケジュールは、19年4月に改正労基法が施行され、それから5年後の24年4月から自動車運転業務にも罰則付きの上限規制が適用されることを前提としている。

ところが、この働き方改革関連法案の雲行きが怪しい。自民党は3月29日、法案を了承し、政府は今週にも国会に提出する構えだが、法案の一部に野党が異を唱えている。関連法案には、▽時間外労働の上限規制▽「同一労働同一賃金」の導入▽高度プロフェッショナル制度の創設――を盛り込んでいるが、このうち野党は、高度プロフェッショナル制度について「残業代ゼロ制度だ」などとして反発を強めている。

当初法案に盛り込む予定だった、裁量労働制の適用拡大については、厚生労働省の調査に誤りが見つかったこともあり、法案から削除されたばかりだ。

トラックの働き方改革は、ドライバー不足に喘ぐ業界にとって、避けて通れない道だ。これまでトラックを湯水のように使ってきた荷主にとっても、考え方を改めるべき時だ。国会の争いとは別に、その趣旨、内容を先取りしたい。