軽油高騰等が景気に影響

民間調査機関によると、7月の国内景気は、集中豪雨が被災地を中心に企業活動の停滞を招いた一方、猛暑や賞与などが消費を刺激したことから、4カ月ぶりに改善し、足踏み状態だという。

7月の運輸・倉庫業界は、豪雨災害による被災地の物流網寸断や軽油価格の上昇などがマイナス要因となっているものの、猛暑を受けて夏物商材などの荷動きが活発化したことが寄与し、4-6月に低迷していたトラック運送は大きく改善したという調査結果だ。

全日本トラック協会が9日にまとめた今年4―6月期の景況感調査結果によると、トラック運送業界の景況感は判断指標がマイナス14・7と前回(1-3月期)のマイナス3から11・7ポイントも悪化している。

運賃・料金の水準は「一般貨物」の判断指標が19・0(前回12・2)、「宅配貨物」は76・9(同41・7)、「宅配以外の貨物」が64・8(同54・0)と回復基調で推移している。にもかかわらず景況感は悪化した。

燃料価格上昇、労働力不足に伴う人件費等費用負担増の影響を受け、営業損益が悪化した結果である。

7―9月期も労働力不足や燃料価格上昇等が継続して影響し、悪化する見通しだ。一般、宅配、特積みの全ての事業形態で輸送数量が4-6月期に続き減少する見込みであるほか、労働力不足感が強まるためだ。

労働力不足感の4-6月期指標は88・9と高止まりで推移し、7―9月期には100・8へと不足感が強まる見通しである。

懸念材料の軽油価格は、資源エネルギー庁が8日発表した石油製品の店頭小売価格週次調査によると、6日時点の軽油価格(税込み)は前週より0・1円上昇し、10週連続で130円台の高値水準である。前年同期と比べると、20・6円も高騰しており、経費上昇につながっている。

日通総合研究所の「企業物流短期動向調査」(物流短観/6月調査)によると、荷主企業の物流担当者は、7-9月の運賃・料金指数について、一般トラックはプラス42(4-6月40)、特積トラックがプラス40(同38)と上昇が強まるとみている。

トラック事業者から「運転者・作業員の不足が顕著で、仕事の依頼はあっても請けられない」「運賃は上昇しても、コストが増加しており、収益状況・景況は悪化している」といった声が聞かれる。

採算を確保し、持続可能な他産業並みの労働環境と労働条件の整備に業界をあげて取り組むことが求められている。