荷主等との取引改善を

公正取引委員会が24日公表した「下請法の運用状況」によると、2016年度の下請法違反で親事業者名を公表する「勧告」は前年度より7件多い11件、「指導」件数は5・4%増の6302件と7年連続で過去最高を更新した。依然としてなくならない「下請けいじめ」の実態が浮き彫りになった。

下請法違反事件にかかる役務委託等の措置件数は1857件で、15年度に比べ101件増加した。業種別では、「情報通信業」が最多の542件(前年度526件)、「運輸業・郵便業」が432件(同432件)、「学術研究、専門・技術サービス業」が384件(同336件)と上位3業種を占める。運輸業・郵便業は、道路貨物運送業以外が減少しているが、道路貨物運送業は増加傾向だ。

同時に公表した16年度「荷主と物流事業者との取引に関する書面調査」の結果では、「物流特殊指定に照らして問題となるおそれが認められた」707社の荷主に、物流事業者との取引内容の検証・改善を求める文書を発送したことを明らかにした。

物流特殊指定は、荷主と元請け物流事業者との取引において「荷主の優越的地位濫用を効果的に規制するために指定された」告示で、2004年4月から適用されている。この物流特殊指定と下請法が「物流分野の取引ルール」である。

公取委では、中小企業の取引条件の改善に向けた取り組みの一環として、物流特殊指定の遵守状況や荷主と物流事業者との取引状況を把握するため、荷主3万社、物流事業者4万社を対象とする大規模な書面調査を実施した。

荷主企業1万7372社、物流事業者は2万152社と前年の2倍を回収したが、「物流特殊指定」違反の荷主企業は707社(前年度659社)にとどまった。

取引内容の検証・改善を求めた707社のうち、業種について回答のあった698社の内訳では、製造業の340社(構成比48・7%)が最も多く、次いで卸売業の149社(同21・3%)が続き、15年度と変わらなかった。

検証・改善を求めた荷主の行為類型では、①「代金の支払遅延」329件(構成比41・6%)②「代金の減額」165件(同20・9%)③「割引困難な手形の交付」105件(同13・3%)が前年と同様に上位を占めた。

公取委の発表によると、取引条件が改善しているとはいえない。取引の改善には、互いの信頼関係に基づく地道な取り組みが欠かせない。