社会の期待に応えたい

新年度が始まった。2日、全国の企業、官公庁が入社式などを行い、推定約93万人とも言われる新社会人が第一歩を踏み出した。物流業界でも、多くの新入社員が社長の訓示に耳を傾けた。

本紙がまとめた大手物流企業の訓示では、新入社員に対して、今年も、「変化」「変革」の時代を担う将来のリーダーとして、失敗を恐れず「挑戦」してほしいという期待が込められていた。

物流業界でも第4次産業革命の「AI」をはじめ「ⅠoT」「ドローン」などを抜きに時代を語れなくなっており、「変化」「変革」の時代にいかに対応するか、将来会社を担う若い社員に願いを込めている。

また、今年は、「物流がありとあらゆる方面から注目されている」(日立物流)などとして、これまで以上に〝重み〟を感じる訓示も目立った

昨年2月の〝ヤマトショック〟以来、物流が社会から一気に「注目」され、重要性や価値を認識されるようになった。〝ヤマトショック〟の要因は、通販市場の急激な増量などの「変化」に対する〝限界〟だった。

ヤマトホールディングスは昨年、これらの「変化」に対応するため、「働き方改革」を中心に大口法人顧客との契約見直し、適正運賃の収受などを断行した。

入社式で山内雅喜社長は、こうしたヤマトグループの「変革」に対する社会の受け止め方について、「多大なる理解・協力を頂いた」と述べた。山内社長は「世の中に良いサービスを提供し続けることへの期待の表れ」と評し、「この期待に応えていかなければならない」とした。

この「期待の表れ」はヤマトグループのみならず、物流業界全体への世の中の期待の表れでもある。

大手企業は、このような期待に応えるため、新入社員にも訓示として、「グローバル企業の一員として今後の活躍に期待したい」(日本通運)、「アジアを代表する総合物流企業グループという目標を達成しよう」(SGホールディングス)、「日本生まれのグローバル企業をめざそう」(近鉄エクスプレス)、「心から誇れる世界のブランドに育てよう」(鴻池運輸)などと激励している。

また、一方、訓示には「家族への感謝の気持ちを忘れないこと」(西濃運輸)、「仕事ができることに喜びを感じてほしい」(福岡運輸)など、人生の先輩としての温かいアドバイスもある。物流業界の発展のために、頑張れ、新入社員諸君!